現在、草間彌生美術館で開催されているのは、
“毎日愛について祈っている”という展覧会です。
この意味深な展覧会タイトルは、
草間さんが現在手掛けている最新シリーズのタイトル。
昨年以降、草間さんが描いたキャンバスの裏面に、
「EVERY DAY I PRAY FOR LOVE(=毎日愛について祈っている)」という、
センテンスが繰り返し記されるようになったのだそうです。
そんな草間さんの最新シリーズが、
今回の展覧会で世界初公開されています。
こちらが、その〈毎日愛について祈っている〉シリーズ。
(注:展覧会は一部撮影可。展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
2009年から2021年までの間に、
800点以上も描かれた〈わが永遠の魂〉シリーズと、
草間さんのアイコンともいうべき水玉が融合したような。
どこか集大成のような印象も受ける作品群でした。
ちなみに。
そんな最新シリーズと併せて展示されていたのが、
ここ近年に制作されたソフト・スカルプチュアの作品群です。
手前)近作ソフト・スカルプチュア(2014~2018年)
奥)《かがやく雲のしとねにあこがれて ミシェル オバマ》(2019年)(「わが永遠の魂」シリーズより)
単体で観ると、ゾワゾワするものがありますが(※個人の感想です)。
こうしてまとまった姿を目にすると、
海外アニメのキャラクターのように感じられて、
なんだか妙にワクワクするものがありました(※これまた個人の感想です)。
ディズニーランド、ジブリパークに次いで、
近い将来、クサマーランドなるものが出来たら、
きっと、そのパレードはこんな情景になるに違いありません。
なお、センター(?)を務めていたのは、こちらの《かぼちゃ》。
その右奥に見える《かぼちゃ》と比べて、
仮に海に流されたとしても、順応できそうな、
小魚を捕食しそうな、そんな生命力を醸し出していました。
さてさて、展覧会では他にも、
〈わが永遠の魂〉シリーズの膨大な作品群の中から、
〈毎日愛について祈っている〉シリーズに繋がる作品の数々も紹介されています。
その展示スペースの中央に、
何やら怪しげな箱が設置されていました。
箱の中身はもちろん、箱そのものが何だろな?
こちらは、ミラールームシリーズの最新作、
《天国へのぼった階段で見た宇宙の姿》だそうで。
鏡面に大小さまざまな穴が開けられており、
そこから中を覗くと、円や球体が増殖している光景が広がっていました。
当然ですが、色のついた穴から覗くと、
その色一色に染まった光景が見えます。
覗く穴によって、ガラッと雰囲気が変わる。
さらに、箱の周囲の景色も、内部に映り込むため、
設置する場所を変えれば、まったく別の光景となる。
無限に楽しめるミラールームでした。
また、体験型作品といえば、
4階にあるインスタレーション作品も。
扉を開けると、そこに広がっていたのは、ごく普通の部屋。
ベッドやソファ、机や本棚、観葉植物など、
ごく普通の家庭にあるごく普通の日用品が置かれていました。
でも、ただ一つ違ったのは・・・・・
《I'm Here, but Nothing》(2000/2022年)
発光する無数のカラフルな水玉で覆われていたのです。
これぞ草間彌生ワールド。
この圧倒的な体験ができるのは、
まず間違いなく草間彌生美術館だけです。
ちなみに。
何の予備知識もなく、
この空間にポンと入ってしまったため、
“一体何が起こっているんだ??”と戸惑っていると。
室内にあったテレビから、
草間彌生さんの声が聞こえてきました。
一瞬ですが、何かのデスゲームに巻き込まれたのかと思いました(笑)
草間さんが、ゲームのルールを説明する主催者のようです。
┃会期:2022年10月7日(金)~2023年2月26日(日)
┃開館日:木・金・土・日曜日および国民の祝日
┃年末年始の休館日 12月26日(日)~2023年1月6日(金)
※最新情報はウェブサイトをご確認ください。
┃会場:草間彌生美術館
┃日時指定の予約・定員制(各回90分)
┃※チケットは美術館web サイトのみで販売。窓口での取り扱いは無し。