立川のPLAY! MUSEUMで開催中の展覧会、
“junaida展「IMAGINARIUM」”に行ってきました。
こちらは今注目されているの画家の一人、
junaida(ジュナイダ)さんの初となる大規模個展です。
タイトルの“IMAGINARIUM”とは、想像を意味する「IMAGINE」と、
プラネタリウムやアクアリウムなどの語尾の「~RIUM」を合わせた造語とのこと。
果たして、会場にはどんな想像の世界が広がっているのでしょうか。
まず入り口を抜けると、目の前に…いや、
正確に言えば、頭上に現れたのが、不思議な天幕です。
何やら内側に描かれている様子。
導かれるように中に入ってみると・・・・・
今展のために描き下ろされたという作品の下絵がプリントされていました。
junaidaさんの作品の魅力の一つは何といっても、その美しすぎる精緻な線。
着色された完成品になる前の姿もまた美しすぎるため、
あえて、展覧会の冒頭でこの下絵を見せることにしたのだそうです。
さて、360度を見渡して下絵を堪能した後は、
やたらと背の高い扉を押し開けて、その先へ。
すると・・・・・
これまでのPLAY! MUSEUMの展覧会では、
見たことがなかった廻廊のようなスペースが誕生していました。
しかも、絨毯も敷き詰められており、いつになく足元がふっかふか。
ラグジュアリーなホテルのような雰囲気となっていました。
ちょっと前まで、この同じ空間で、くまのプーさん展が、
その前まで、コジコジ展が開催されていたとは到底思えません。
と、それはさておきまして。
廻廊の側面には、東欧とか北欧とかの絵本を彷彿とさせる、
junaidaさんの作品が、これでもかというくらいに展示されていました。
さらに、メインスペースとなる大空間にもまた多数展示されています。
こちらでは、『の』や『Michi』といった、
junaidaさんの代表的な絵本の原画も展示されていました。
さらに、冒頭で下絵が展示されていた描きおろし作品も、
原画と拡大してプリントしたものと、それぞれ展示されていました。
ここまででも十分すぎるほど、
junaidaさんの作品を堪能できたのですが。
展覧会は、なんとなんとこの後もまだまだ続いていたのです!
お腹いっぱいになっても、次から次へと作品が出てくる。
まるでわんこそば状態の展覧会でした(笑)。
なお、出展数は400点超え!
しかも、会場内で流れていた音楽も、junaidaさんが作曲したものとのこと。
どんだけ多彩なんだ。
これだけの膨大な数の作品を、それも、精緻な作品を、
junaidaさんがこれまでに一人で生み出してきたことも驚きですが、
それ以上に驚かされるのが、junaidaさんがまだ40代前半ということ。
80代90代の人間の回顧展かと思うくらいの仕事量でした。
もしかしたら、junaidaさんは歳を取らないのかも。
作品の世界以上に、junaidaさん自身がファンタジーです。
ちなみに。
junaidaさんの作品の中には、
どこか温かみのある、ほっこりしたものだけでなく。
少し寂しかったり少し怖かったり、
ちょっぴりビターでダークな作風のものもあります。
石田徹也やハマスホイの作品にもどこか通ずるような。
先ほどは、わんこそばに例えてしまいましたが、
いろんな味が取り揃えられているので、決して単調ではありません。
飽きることなく、最後まで楽しむことができますよ。
最後に。
400点以上ある作品の中で、
個人的に一番印象に残ったものをご紹介いたしましょう。
画面全体のほとんどが余白。
にもかかわらず、不思議と、
手抜き(?)をした印象はありませんでした。
むしろ、みっしりと描き込まれている印象。
junaidaさんの他の作品が、
あまりに精緻に描かれているため、
脳内で補完してしまうのかもしれません。
日頃の行いって大事ですね。