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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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Film:64『画家と泥棒』

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■画家と泥棒

 

監督:ベンジャミン・リー

出演:バルボラ・キシルコワ、カール・ベルティル・ノードランド

2020年製作/102分/ノルウェー


2015年、ノルウェーの首都オスロにあるギャラリーで2点の絵画が盗難される事件が起こる。

盗まれた絵画を描いた画家は犯人を突き止めるが、犯人は「覚えてない」の一点張りだった。

やがて画家は、犯人に「あなたをモデルに絵を描かせてほしい」と突然の提案をする。

そのことから、画家と犯人の思いもよらない関係が始まっていく。

(映画.comより)

 

 

「いつもお世話になっている友人から、

 「この映画は観ました?絶対観て欲しいです!」と、

 つい先日、激推しされたドキュメンタリー映画です。

 

 とある女性画家の絵画作品が2点盗難される。

 しかし、犯行当時、ドラッグでキまっていたため、

 泥棒自身は、盗難した絵画作品の行方を知らないとのこと。

 それを知った画家は怒りや悲しみをグッとこらえ、

 泥棒に対し、絵のモデルになってくれるよう頼みました。

 負い目がある泥棒は、何かしらの嫌がらせ、

 復讐を兼ねているものと思いながらも、それを承服します。

 そして、彼をモデルにした絵が完成。 

 出来上がった絵を観た泥棒は、

 そのあまりの出来栄えに、思わず感動の涙を流すのです。

 

 絵の力って、素晴らしい!

 やっぱりアートって最高!!

 

 で、めでたしめでたし、の映画かと思いきや。

 それはまだ映画全体の4分の1ほど。

 そこから意外な展開が次々と起こります。

 あまりに展開がよく出来ているので、

 ドキュメンタリー映画とは思えないほど。

 絶対に脚本家いるよね?

 映画の最後で「♪テッテレ~」という効果音とともに、

 『実はフィクションでした』という看板を持った人が出てくるよね??

 途中からずっと、そう疑いながら観ていました。

 

 というのも、展開がただドラマチックなだけなく、

 “実はあのシーンの裏側では、こんなことがあって”という演出が何度もありまして。

 そのおかげで、まったく飽きることなく、

 最後までストーリーに惹きつけられるのですが。

 あまりにも、その構成が完璧すぎなので、さすがに出来すぎ感が、、、

 しかも、毎度毎度、よくその場面をカメラが抑えているなぁと。

 それと、主要キャストである画家と泥棒の2人が、

 とにかくカメラ慣れしていたことにも、疑念を感じました。

 カメラの前で、よくぞあれだけナチュラルに会話が出来るものだと。

 2人はナレーションもこなしているのですが、それも完璧でしたし。

 僕の知ってるアーティストの中には、

 あそこまでカメラ慣れしている人は一人もいません(笑)

 

 とはいえ、どれだけネット上を調べても、

 この映画が実はフィクションだったという記述は無いので、

 ドキュメンタリーであることは本当なのでしょう。

 事実は小説よりも奇なり、とはまさにこのことです。

 なお、ラストシーンは最高に出来すぎていて、

 フィクションであろうが、ドキュメンタリーであろうが、

 どちらにしても関係なく、思わず鳥肌が立ってしまいました。

 いや、これは人に紹介したくなる映画ですわ。

 

 個人的に、一番印象に残っているのは、

 画家と泥棒の2人の距離が近づいていくことで、

 画家と彼氏の関係性が少しずつ変化していったこと。

 彼氏が溜め込んだ感情を吐露したシーンは、

 ちょっとだけ、あくまでちょっとだけ『silent』を彷彿とさせました。

 画家が川口春奈で、泥棒が目黒蓮で・・・いや、どんな『silent』だよ。

  スター スター スター スター ほし (星4つ)」

 

 

~映画に登場する名画~

 

 

 

 


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