Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の“マリー・クワント展”に行ってきました。
デイジーの花のマークで知られる、
イギリスを代表するファッションブランド・マリークヮント。
その創設者であるマリー・クワントの軌跡をたどる日本初の回顧展です。
大変失礼ながら、マリー・クワントのことを、
歴史上の人物のように思い込んでいましたが。
92歳を迎えた2022年現在も、
本国イギリスでは絶大な人気を誇っているようで。
2019年にイギリスのV&Aことヴィクトリア・アンド・アルバート博物館にて、
マリー・クワントの展覧会が開催された際には、約40万人が訪れたそうです。
本展はその国際巡回展。
V&Aが所蔵する約100点の衣服を中心に、
靴や小物、写真、映像などが紹介されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
マリー・クワントが頭角を現したのは、わずか25歳の時のこと。
自分自身が着たいと思うアイテムを自らデザインし、
自身のお店「バザー」で販売したところ、若者の間で爆発的な人気に。
1960年代を代表するカルチャー、スウィンギング・ロンドンの象徴となりました。
ところで、今でこそ当たり前となったタイツ。
それを普及させたのが、なんとマリー・クワントだったそうです。
会場では、時代を彩ったさまざまなタイツが展示されていました。
それらの中には、全身タイツのようなものも。
と思ったら、タオル地でできた部屋着だそうです。
究極のオールインワン。
もし、足の指先に穴が開いてしまったら、
靴下であれば、わりと躊躇なく処分できますが。
この部屋着の場合は、捨てるのは相当悩ましいところです。
また、マリーが根付かせたファッションといえば、
1960年代に世界的にブームを起こしたミニスカートも。
膝まで隠れるスカートが当たり前だった時代に、
どんどんと丈を短くしていったという、マリー・クワント。
展覧会では、その変遷がわかる展示もありました。
ちなみに。
当時、最先端の素材であったPVC(ポリ塩化ビニール)を、
ファッションに取り入れたのもマリー・クワントの大きな功績の一つ。
ミニスカートに、PVCに。
もし、マリー・クワントがいなかったら、
ミニスカポリスも存在していなかったのかもしれません(←?)。
さてさて、ファッションそのものも斬新でしたが、
ファッションアイテムのネーミングセンスも、なかなかに斬新た。
『都会人』や『イングランド銀行』、『石炭担ぎ』『イワシ』など、
およそ他のファッション展では、目にしたことがないキャプションが多数ありました。
名前を聞いたところで、まったくどんなアイテムなのかイメージが付きません。
他にも、『倹約家』や『成人指定』『清純派』なんてのもありました。
一番印象に残っているのは、『淑女気取り』。
「お客様はそうですね。こちらの『淑女気取り』なんていかがでしょうか?」
「わー、『淑女気取り』がピッタリ!」
「『淑女気取り』がお似合いですね」
かつて、バザーではそんなセリフが飛び交っていたのでしょうか。
デイジーのマーク以外、
マリー・クワントについて何一つ知りませんでしたが。
こんなにも先進的で、クリエイティブな女性だったとは!
華やかな会場で、目にも楽しかったですが、
それ以上に、学びや気づきの多い展覧会でした。
そうそう、勉強になったと言えば。
マリーの代名詞というべき、
ショートボブのヘアスタイルですが。
そのスタイリングを担当していた男性が、
カリスマスタイリストのヴィダル・サスーンだったそう。
ヴィダル・サスーンって人の名前だったのですね。知らなんだ。