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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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茅野市尖石縄文考古館

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1955年に、茅野市尖石考古館として開館し、

2000年ちょうどにリニューアルオープンした茅野市尖石縄文考古館。

 

 

 

長野県茅野市にある尖石遺跡及び、

その周辺遺跡の出土品を収蔵、展示するミュージアムです。

 

ちなみに、尖石(とがりいし)とは、地名ではないようで、

遺跡の南側斜面に、尖った大きな石があったのがその由来だそう。

 

 

 

なお、そんな尖石遺跡を初めて、

学界に紹介した人物の名は、小平小平治とのこと。

「小平」という苗字に対して、名が「小平治」。

そのネーミングセンスも、だいぶ尖っています。

 

 

と、それはさておき。

館内には常時、約2000点もの縄文時代の遺物が展示されています。

 

 

 

それらの中には、灯火具として使われていたというレアな土器・吊手土器や、

 

 

サイヤ人の戦闘服を彷彿とさせる土器、

 

 

 

装飾過多でどこかレディ・ガガを彷彿とさせる土器もありました。

 

 

 

個人的に惹かれたのは、こちらの土器。

 

 

 

手作業で作られたとは思えないほど、均整の取れたプロポーションでした。

考えに考え抜かれたプロダクトデザインといった印象。

縄文土器というと、本能の赴くままに作られたイメージがありましたが、

縄文時代にも、一分の隙もない造形を目指す職人気質の人間がいたのでしょうね。

 

なお、そんな完璧主義の人間がいた一方で、

細かいことは気にしないタイプの人間もいたようで。

 

 

 

↑こちらの展示ケースで紹介されていた土器のうち、

博物館曰く、“精巧に作られている”のは、この4点だけとのこと。

 

 

 

残りは、初心者レベルの“下手な土器”であるようです(笑)

 

 

 

「単純な形なのに雑な作り」とか、

「全体的にぞんざいな印象が強い」とか、

作った縄文人の顔が見えないのをいいことに(?)、言いたい放題でした。

 

言いたい放題といえば、黒曜石の矢じりに関しても。

 

 

 

素人目には、そこまで大差ないように思えますが、

研究者(プロ)の目から見れば、その出来栄えは歴然である模様。

精巧に作られた左の矢じりに対し、

右の矢じりは、「ド」がつくほどの下手クソなのだそうです。

それゆえ、こんなパネルが添えられていました。

 

 

 

自分も、モーソウには自信があるほうですが。

この2つの矢じりから、こんなノリツッコミがイメージできるなんて、

茅野市尖石縄文考古館の学芸員さんの想像力には頭が下がります。

 

 

さて、ここまでいろいろお伝えしてきましたが、

茅野市尖石縄文考古館のメインは何といっても、こちら↓

 

 

 

2件の国宝土偶です。

2021年12月現在、国宝に指定されている土偶は全部で5件。

つまり、国宝土偶の40%、半分弱がここに集結しているというわけです!

 

一つは、「仮面の女神」と呼ばれる土偶。

 

 

 

平成12年に発見され、平成26年に国宝に指定。

5件の国宝土偶の中では、もっとも新しくメンバーに加わった土偶です。

上半身に比べて、足がパンパン。

競輪選手みたいな体型をしています。

 

そして、もう1つはこちらの土偶。

 

 

 

昭和61年に発見され、

平成7年に、土偶として初めて国宝に指定されました。

その蠱惑的(?)な曲線美から、

「縄文のヴィーナス」の名をほしいままにしています。

なお、後姿はこんな感じ↓

 

 

 

巨尻のナイスバディ(←?)。

人体を通り越して、もはやコントラバスのようです。

 

数ある土偶の中から、国宝に選抜されただけあって、

「仮面の女神」も「縄文のヴィーナス」もスターオーラが放たれていました。

茅野市の近くに立ち寄る際には、必見です!

星

 

 

ちなみに。

ミュージアムショップではもちろん、

国宝土偶2体のグッズがたくさん販売されていました。

レプリカにピンバッジにストラップに、

マグネットに一筆箋に文房具に箸置きに。

さらに、国宝土偶の塩羊羹も販売されていました。

 

 

 

さらにさらに、国宝土偶それぞれの、

履歴書を模したクリアファイルも販売されていました。

 



グッズのセンスも尖石。




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