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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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図録・オブ・ザ・イヤー2022

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展覧会の内容は関係なしに、図録の素晴らしさだけを、
アートテラー・とに~が独断と偏見で評価する“年に1度の図録の祭典”。
それが・・・・・


キラキラ図録・オブ・ザ・イヤーキラキラ

アート業界や出版業界の一部の方が注目している年末恒例企画です。
7年目となる今年2022年は、一体どの図録が受賞したのでしょうか?!

 

 

第10位 ボテロ展 ふくよかな魔法

 

 

 

今年めでたく90歳を迎えた、

コロンビアの国民的画家フェルナンド・ボテロ。

今年は、その日本での26年ぶりとなる大規模展覧会が、

Bunkamura ザ・ミュージアムや京都京セラ美術館で開催されました。

人物を描いても、動物を描いても、花を描いても、

何がモチーフでも、ふくやかに、ぽっちゃりと描くボテロ。

それだけに、図録のカバーは、

通常のものよりも、ぼてっとしています。

ボテロ仕様。

 

 

 

第9位 牧歌礼讃/楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン+藤田龍児

 

 

 

毎年必ず1冊はランクインしてくる、

常勝美術館、東京ステーションギャラリー。

今年は、アンドレ・ボーシャンと藤田龍児という、

活躍した国も時代も異なる2人の画家の展覧会の図録でランクイン。

一見すると、オーソドックスな図録ですが、本を裏返すと、この通り↓

 

 

 

実は、どちらからも読み進められるようになっています。

2人展ならではの図録です。

 

 

 

第8位 アンディ・ウォーホル・キョウト

 

 

 

巡回展はなく、京都でしか開催されない“アンディ・ウォーホル・キョウト”。

オリジナルグッズや図録ももちろん京都でしか手に入れることができません。

ウォーホルのステレオタイプなイメージをあえて使用せず、

オリジナルのグラフィックで構成しているところに非常に好感が持てます。

大きすぎず、小さすぎず。

丁度いいサイズ感もGood。

 

 

第7位 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」

 

 

 

オンラインチケットが全然取れない!

そんなことでも話題となった、

2022年もっとも人気を博した展覧会です。

装丁に採用されているのは、隠れたインスタ映えスポット、

トーハク本館の休憩スペース、北側ラウンジのモザイクタイル壁。

見返しに国宝全89件がデザインされているのも圧巻です。

 

 

 

第6位 Chim↑Pom展:ハッピースプリング

 

結成17年目を迎えた今もなお、

美術界のトップをひた走るトップランナー、アーティスト・コレクティブのChim↑Pom。

その大規模な展覧会が、今年、森美術館で開催されました。

これまでに、世の中をザワつかせる作品を多々発表してきた彼ら。

当然、個展の図録も普通ではないだろうと、予測はしていましたが。

その予測をはるかに超えてきました。

 

 

 

まさかのレコードタイプ。

斬新にもほどがあります。

斬新さで言えば、トップ3に入ってもおかしくなかったのですが。

我が家にレコードプレーヤーが無いので、いまだに中身を聴くすべが無く。。。

よって6位です。

 

 

第5位 カラーフィールド 色の海を泳ぐ

 

 

 

今年開催された展覧会の中で、

個人的に5本の指に入る“カラーフィールド 色の海を泳ぐ”。

その世界観をシンプルかつ的確に体現した図録は、

会期最終日を待たずして、完売してしまったほどの人気でした。

この図録を手に入れた自分を褒めてあげたいです。

 

 

第4位 大竹伸朗展

 

 

 

「これまで見たことのない図録を作ろう。」

そんな強い気持ちが込み上げてしまったという、

大竹伸朗さんによって誕生したのが、この図録です。

 

 

 

いや、図録なのか?

お正月に届く新聞みたいな感じなのが全7部、

あと、テキストが収められた冊子1冊で構成されています。

これも大竹さんによる1つのアート作品と考えると、非常に面白いのですが。

読みづらいったら、ありゃしない。

本棚にも収まらないので、保管しづらいったら、ありゃしないです。

 

 

 

第3位 ヴァロットン―黒と白

 

 

 

ヴァロットンの木版画作品のセンスもさることながら、

それを、さらにカッコよくデザインに落とし込んだセンスに拍手。

装丁だけでなく、中身の細部にいたるまでセンスが詰まっていました。

たぶんこの図録を読むだけで、自分のセンスもアップします。

 

 

 

江國香織さんと平野啓一郎さんそれぞれの、

オリジナルエッセイが収録されているのも嬉しいところ。

どちらも読みごたえがあります。

 

 

第2位 川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり

 

 

 

建築家の中山英之さんが,会場デザインを手掛けたことで話題となった、

東京オペラシティアートギャラリーの“川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり”。

その図録は、一般的な写真集とは異なり、

作品シリーズによって、判型や紙を変えられており、

どこか建造物を彷彿とさせるような仕上がりとなっていました。

展覧会を追体験できる図録です。

 

 

 

第1位 junaida展「IMAGINARIUM」

 

 

 

ブックデザインを担当するのは、『の』『怪物園』など、

junaidaさんの代表作の数々を手掛けているコズフィッシュ。

絵本とも画集ともあえて違うトリミングや、

印刷技法、紙で仕上げたこだわりの詰まった図録です。

 

 

 

こだわりが詰まりすぎていて、

もjはや軽く変態的に感じられるレベル。

印刷好き、本好きにはたまらない一冊となっています。

今年の図録・オブ・ザ・イヤーに相応しい一冊です。

 

 

正統派な図録が数多くランクインする中、

例年以上に、変則的な図録が目立ったように思えます。

この傾向が進めば、来年にはもっと変則的な図録が登場するのでは?

それでは皆様、また来年の図録・オブ・ザ・イヤーでお会いいたしましょう!




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