現在、長谷川町子記念館では、
“町子の動物ワールド”が開催されています。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
実は、大の動物好きだったという長谷川町子。
そんな町子と動物の知られざる関係性に焦点を当てた展覧会です。
展覧会の冒頭で紹介されていたのは、
長谷川町子が実際に飼っていた動物に関するエトセトラ。
その生涯を通じて、町子は犬や猫、鳥、
果てはリスまで、たくさんの動物を飼っていたそうです。
本当に動物が好きだったようで、当時の雑誌には、
自慢のペットとともに映った写真が掲載されていました。
展覧会では、ペットたちのエピソードの数々も紹介されていましたが、
中でも印象的だったのが、捨て犬だった秋田犬の次郎に関するエピソードです。
1970年のある日、町子の自宅の門扉が、
何者かによって放火される事件がありました。
その際、異変にいち早く気づいたのが、次郎だったそう。
次郎が吠えたそのおかげで、大事に至らなかったのだとか。
お手柄ですね。
ちなみに。
動物を何匹も飼っていたため、
時には、飼い犬や飼い猫がいなくなることもあったそう。
その際に、町子は似顔絵を描いて新聞の折り込み広告に出していたそうです。
さて、展覧会ではこのポスターの他にも、
長谷川町子が描いた動物たちが紹介されています。
子どものころの夢の一つが、動物園の園長だったというだけあって、
初期の頃から、動物をモチーフにした作品を多々描いていたようです。
もちろん『サザエさん』の中でも、
いくどとなく動物が登場しています。
『サザエさん』に登場する動物というと、
いまだに声優が「?」のままのタマが思い浮かぶところですが。
実は、原作ではタマではなく、「ミー」の表記とされている場合も多々あるそう。
名前に関してはわりと適当だったのですね。
また、サザエさん一家はタマ(時にミー)だけでなく、
原作では、リスのマイクや伝書鳩も飼っていたようです。
意外と、サザエさんは動物好きだったのですね。
意外といえば、サザエさんは専業主婦だとばかり思っていましたが、
パートタイマーとして、近所のお金持ちの家で働いていたこともあるようです。
なお、そのお金持ちの家の名前は、湯水家。
お金持ちにもほどがある苗字です。
さてさて、『サザエさん』と並ぶ、
町子の代表作『いじわるばあさん』にも、動物はもちろん登場。
さらには、こんなスピンオフ漫画も制作されていたそうです。
その名も、『いじわるクッキー』。
いじわるばあさんにも負けないほどの、
いたずら好きの犬クッキーが主人公の漫画です。
当初のタイトルは、『意地悪ラッシー』でしたが、
『いじわるばあさん』の単行本に収録される際に改題されたとのこと。
これは、本家からイジワルされたわけではなく、
さすがに気が引けたようで、町子自ら改題したそうです(笑)
ちなみに。
展覧会のラストに展示されていたのは、
町子が動物をモチーフに描いた油彩画の数々でした。
これらの油彩画は、町子の死後に発見されたものなのだそうです。
当たり前と言えば、当たり前ですが、どれも玄人レベル。
その腕前に思わず息を飲みました。
んがぐぐ。