渋谷スクランブルスクエア46階にある展望回路SKY GALLERYではこれまでに、
写真家の石川直樹さんやアートチームSIDE COREの展覧会が開催されてきました。
それが、SKY GALLERY EXHIBITION SERIES。
その第5弾として、1月13日よりスタートしたのが、
“SKY GALLERY EXHIBITION SERIES vol.5『目[mé]』”。
空に巨大な顔の気球を浮かべたり、
資生堂ギャラリーにホテルのような空間を作り出したり。
僕らが当たり前と思っている日常に、ハッとした気づきを与え、
文字通り、“目”を見開かせてくれる現代アートチーム「目[mé]」。
その最新展覧会です。
さて、会場に足を踏み入れると、いたるところに、
無数の時計をムクドリの群れのように配した《movements》や、
樹脂の中に絵の具を溶かし、その融解中に固めた《アクリルガス》など、
目[mé]の近年の代表作が設置されていました。
しかし、一般的な展覧会にあるはずのアレが見当たりません。
作品名や制作年などの情報が記載されているアレ。
そう。キャプションです。
今回の展示のコンセプトは、『ただ、眺める』とのこと。
目[mé]のディレクター南川憲二さんは、こう語ります。
都市の中ではボーっとすることは難しい。
しかし、商業的な空間でもなく、美術館でもなく、
ただ景色を眺めるこの展望回路は、ボーっとするに相応しい場所である。
ということ、それを邪魔しないために、
今展の会場は、あえて「非言語」にしているのだそう。
とはいえ、さすがにノーヒントもなんなので、
作品の説明を、映像作品で表現してみたそうです。
できれば、この映像作品に対しての説明も欲しかったところですが、
それもまたきっと映像作品となり、無限ループになりかねないでしょう。
というわけで。
公式である目[mé]が推奨する通り、
ガラス面の階下に広がる大パノラマを見ながら、
ガラス面に貼られた写真作品の数々や、
不思議な形のディスプレイで上映された映像作品などを観ながら、
ただただ、ボーっとしてみました。
なるほど。大都市渋谷の真ん中で、
ただただ、ボーっとするのは、最高の贅沢かもしれませんね。
そんな風に、しばらくボーっと会場を巡っていたところ、
床に何かゴミのようなものが落ちていることに気が付いてしまいました。
近づいてみると、そこには何やらQRコードが!
反射的にスマホで読み取ってみると、
この展覧会のオリジナルサイトに飛びました。
パソコンでも、同様の事象は起こりますが、
できれば、スマホでサイトを開くことを推奨いたします。
写真や映像が無数に並んだこちらのサイト。
スワイプし続けてみると、あることに気が付かされます。
わ、何これ、面白い!
個人的な率直の感想としては、
展覧会そのものよりも、サイトのほうが面白かったかも。
ちなみに。
一度、QRコードを発見してからというもの、
会場のいたるところでQRコードを発見!
おそらく、最高難易度のQRコードも発見してしまいました。
他にもどこかにQRコードは無いのか?!
気づけば、目[mé]を皿のようにして、
会場の隅々を探している自分がいました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ボーっとする展覧会なはずなのに。
もし、目[mé]のメンバーがそんな僕を目[mé]にしたら、
ボーっとしないようにしてんじゃねーよ!
と叱るかもしれません。