■ゴッホ 真実の手紙
監督:アンドリュー・ハットン
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、ジェイミー・パーカー
2010年製作/50分/イギリス
世界的に有名な画家であると同時に、
精神を病んだ人物としても知られるヴィンセント・ヴァン・ゴッホ。
この番組はゴッホが遺した多くの手紙をもとに、
オランダでの若き日々からフランスで命を絶つまでの彼の人生を追っていくドキュメンタリーである。
画家になる前に画商になったことや、
牧師の道を目指したこと、数多くの実らぬ恋、
そして父親との確執など、数多くのエピソードを紹介する。
ゴッホやその家族、ポール・ゴーギャン、
彼らに扮した俳優らが語るセリフは、いずれも実際に手紙に残されている言葉ばかり。
中でも、金銭的にゴッホを支援していた弟テオとのやりとりが胸を打つ。
そんなゴッホの波乱に富んだ生き様に迫る。
(Amazon Prime Videoより)
「ドキュメンタリーとはありますが、
正しくは、フェイクドキュメンタリー。
いや、真実のみで構成されているので、
ノンフェイクドキュメンタリーと言うべきなのでしょうか。
映画を観ているというよりは、再現VTRを観ている感じ。
強いて言うなら、 『ザ!世界仰天ニュース』や、
『奇跡体験アンビリバボー』に近いものがありました。
とはいえ、そこは世界のBBC制作。
ゴッホを演じるのは、名も無き再現VTR役者ではなく、
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』や、
『ドクター・ストレンジ』シリーズでお馴染みの名優ベネディクト・カンバーバッチ。
そのおかげで、単なる再現VTRにはなっておらず、
まるで映画を観ているようなクオリティがありました。
ちなみに。
ドキュメンタリーというスタイルを採っているので、
普通の映画とは違い、登場人物たちがカメラ目線で喋っています。
それゆえ、本当に、ゴッホやテオが、
こちらに向かって、語りかけているかのような臨場感がありました。
このスタイルは、発明ではなかろうか。
他の芸術家のバージョンも観てみたいものです。
ただ、この物語に関しては、全編を通じて、
ゴッホの孤独感が描かれているため、だんだんと心苦しくなってきました。
こっちみんな。
こっちに訴えかけてくんな。
切実にそう思わされました。
個人的に一番印象に残っているのは、
画家のアントン・ファン・ラッパルトの登場シーンです。
ラッパルトは、オランダ時代のゴッホの自信作、
《ジャガイモを食べる人々》を思いっきりディスったことで知られています。
この『ゴッホ 真実の手紙』の本編の中でも、
これでもかというくらいに、作品をディスっていました。
僕がゴッホだったら泣くレベル。
いや、ゴッホじゃないのに、軽く視界が潤みました。
そんなに辛辣に言わなくてもいいのに。
ロイホのパンケーキに対する審査くらい辛辣でした。
(星3つ)」
~映画に登場する名画~
《ジャガイモを食べる人々》