昨年10月に、丸の内に移転リニューアルオープンを果たした静嘉堂@丸の内。
そのこけら落としとして開催された開館記念展、
“響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―”は大盛況のうちに閉幕しました。
それに続く第2弾として、年始より開催されているのが、
“初春を祝う―七福うさぎがやってくる!”という展覧会です。
展覧会の目玉は、何と言っても、
丸平大木人形店の五世 大木平藏が制作した《木彫彩色御所人形》の数々。
その数、実に58体。
「鯛車曳」や「楽隊」、「餅つき」など、
全5つのグループで構成された御所人形です。
丸平大木人形店は、天皇家や旧家御用達の京都の老舗。
今回展示されているこれらの人形は、
そんな日本最高峰の人形店に岩﨑小彌太夫人がオーダーし、
1体1体、木彫彩色で精巧に作らせたという特注品とのことです。
なお、これらの人形は、卯年生まれの、
小彌太の還暦祝いのためにオーダーされたのだそう。
それゆえ、すべての人形の頭の上に、
ウサギのお面がちょこんと乗っています。
パッと見は、可愛らしいのですが。
どの人形も、笑福亭鶴瓶さん並に目の奥が笑ってないので、
しばらく見ていると、ウサギの面に精神が乗っ取られた人々のように思えてきました。
たぶん、このウサギの面から、
脳に直接何かしらの力が働いて・・・・・って、
くだらないモーソウはこれくらいにしておきましょう。
ちなみに。
宝船に乗っている布袋様は、
岩崎小彌太をイメージしているのだそう。
布袋様に寄せたとはいえ、
何もこんなレスラーみたいな体格にしなくても。。。
さてさて、展覧会では《木彫彩色御所人形》の他にも、
卯年だけに、ウサギにまつわる作品が出展されています。
中でも、個人的に印象に残ったのは、
景徳鎮窯の《南京染付兎蓋置》でした。
全体的にトゥルンとしていて、
ウサギ感が著しく薄れています。
まるでローションを全身に浴びたかのよう。
ぬるぬるの状態で誰が一番、縁に捕まっていられるのか。
『オールスター感謝祭』の新種目のようにも思えてきました。
なお、新春を祝う展覧会だけに、
ウサギにまつわる美術品だけではなく、
縁起の良い、おめでたい作品も数多く出展されています。
それらの中で、とりわけインパクトがあったのが、こちら。
池大雅による《寿老図》です。
江戸時代に描かれたとは、思えない画風。
まるで昭和のギャグ漫画のようなタッチです。
それも、『少年チャンピオン』あたりで連載されていそうな。
ちなみに。
前回の開館記念展に行けなかった!
もしくは、行きたかったけど、予約が取れなかった!
そんな皆様に朗報です。
今回の開館記念展第2弾でも引き続き、
静嘉堂が誇る国宝の《曜変天目》は展示されています。
開館記念展の終盤はあまりの人気で、
《曜変天目》の展示ケースの周りに人だかりが出来ていたとか。
むしろ、そういう意味では、今の展覧会のほうが、
混雑を気にせず、ゆったりと鑑賞できるかもしれません。
《曜変天目》をたっぷり堪能したい方は、
今すぐ脱兎のごとく、静嘉堂@丸の内へ!!