東京オペラシティアートギャラリーで開催中の展覧会、
“Sit, Down. Sit Down Please, Sphinx.:泉太郎”に行ってきました。
こちらは、国内外で活躍する現代アーティスト、
泉太郎さんの都内の美術館では初となる大規模個展です。
さてさて、泉太郎さんといえば、これまで一貫して、
映像、パフォーマンス、絵画、彫刻といった様々なメディアを交錯させ、
一筋縄ではいかないインスタレーション作品を作り続けてきたアーティスト。
今回の展覧会も、当然、一筋縄ではいかないだろうと、覚悟をした上で訪れました。
まずは、ロッカーに荷物を入れて・・・・・と思ったら。
ロッカールームからロッカーが消えてる!!
しかも。
『少年ジャンプ』ややかんが床置きされてるし。
一筋縄ではいかないだろうと思っていましたが、
まさか、展示室に入る前から、一筋縄ではいかないとは!
・・・・・・・ところで。
ロッカーが無いとなると、
荷物や上着はどうすればいいのでしょう?
と、戸惑っていると、普段とは違って、
展示室入り口脇にロッカーが設置されていました。
では、ここに荷物を入れて・・・・・と思ったら。
中に謎の茶色い袋が入っていました!
誰かの忘れ物?
いやいや、開館と同時に入ったはず。
これが忘れ物であるわけはありません。
実は、この袋は今回の展覧会の重要アイテム。
自分の荷物を預けるのと引き換えに、
この茶色い袋を持って、展示室に向かうこととなります。
入り口を入ると、そこにはたくさんのパイプ椅子。
そして、すべての椅子の上に、
QRコードが記載されたシートが置かれています。
反射的に、QRコードを読み込むと、とあるサイトへ。
そのサイトでは、音声データを聴くことができます。
そして、この展覧会のルールを知ることとなるのです。
ルールは10個もあるので、
一つ一つ書いていたらキリがありません。
というか、10個も覚えられる気がしません。
ネタバレとなってしまいますが、
ルールのうちの1つを紹介すると、
美術館の内側と同じ色、つまり白くならねばならないそうです。
え、でも、白い服で着てないし。。。
そんな時に役立つアイテムが、
あの茶色い袋の中に入っていました。
白いマントです。
これをすっぽりと頭から被ることで、全身白くなれるというわけです。
さてさて、この展覧会、これからさらに、
一筋縄ではいかない展開が次々に待ち受けています。
会場内にある指示に従って、
テントを作ることになったり、番号札を受け取ったり。
ネタバレを避けるため、これ以上は語りませんが、
というか、結局のところ、全貌がよくわかっていないので、
これ以上、語りようが無いというのが正直なところですが。
なんかもう全体的に、意味のわからない展覧会でした。
ただ、その意味のわからなさに、
妙に惹きつけられるというか、妙にクセになるというか。
意味はわからないけど、面白い。
いや、面白いっぽい、面白い気がする、
これはきっとたぶん面白いのかもしれない。
「面白い」とは断定できないけど、
面白そうな感じは伝わってくるので、妙にワクワクぞわぞわする。
そんな展覧会でした。
強いて言えば、ランジャタイのコントを見ている感覚に近いものがあるような。
ちなみに。
泉太郎展の1つ上の階で開催中の「Project N」では、
若手アーティスト、川人綾さんの新作インスタレーションが展示されています。
壁一面にびっしりと幾何学的なパターンが反復されています。
デジタルで出力されたシートの部分もありますが、
その上に、正方形の木製パネルがいくつも設置されています。
その数、なんと990点!
しかも、すべて手描き!
一つとして同じ配色のものは無いそうです。
泉太郎展に負けず劣らず、
川人綾さんの展示も、一筋縄ではいきません。
おかげさまで、帰る頃にはヘトヘトでした。
お願いだから、ちょっと座って休ませてください。
I want to Sit Down..Sit Down Please.