東京大学総合研究博物館と、
日本郵便株式会社との産学協働による学術文化総合ミュージアム。
それが、インターメディアテク (略してIMT)。
東京大学が所蔵する動物の骨格や剝製、
産業プロダクトといった博物標本が常時展示されています。
産学協働とか、学術文化総合ミュージアムとか、
東大とか、博物標本とか、それらの単語だけ聞くと、
なんだか小難しいミュージアムのように思えるかもしれませんが。
博物館のルーツとされるヴンダーカンマーのように、
つまり、珍品をごちゃごちゃにディスプレイした驚異の部屋のように、
さまざまな博物標本が展示された唯一無二の驚異的な展示空間となっています。
嬉しいことに入場料は無料。
一度は訪れておくべきミュージアムの一つです。
さて、そんなインターメディアテクも今年で開館10周年を迎えました。
それを記念して、現在開催されているのが、
“インターメディアテク開館十周年記念特別展示『極楽鳥』”という展覧会。
こちらは、東京大学総合研究博物館と、
ヴァン クリーフ&アーペルが支援する宝飾芸術の教育研究機関、
『レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校』とが共同で主催する展覧会です。
テーマは、ずばり「鳥」。
東大が所蔵する一級の鳥の剥製標本の数々と、
鳥をモチーフにした宝飾芸術の歴史的名品の数々とを併せて見せる、
ありそうでなかった新感覚の展覧会となっています。
もちろん、こちらの特別展も無料です。
また、常設展示は一部を除いて、
写真撮影が禁止となっていますが、
こちらの展覧会に関しては、全面的にOK!
行かない理由が見つからない展覧会です。
さて、展覧会のメインともいうべきは、
タイトルにも使われている『極楽鳥』です。
会場では、その標本がこれでもかというくらいに、展示されていました。
極楽鳥。
学術的には、フウチョウ(風鳥)。
パプアニューギニアの国鳥で、
世界で一番美しい鳥ともいわれています。
浅草サンバカーニバルのダンサーくらいに、
羽根が付いていますが、これが極楽鳥のデフォルトとのこと。
こんな見た目で、本当に空を飛べるのか、気になるところです。
ちなみに。
これは本当にたまたま、超偶然なのですが、
『高橋君に聞いてみないとネ』でお馴染みの鳥博士、
髙橋君と不定期でお届けするclubhouseのプログラム、
『鳥とめのない話』の今夜のテーマが「極楽鳥」となっています。
極楽鳥がどんな鳥なのか気になる方は、是非ご視聴を。
リアルタイムに間に合わずとも、
リプレイ機能で聴くことも可能となっています。
もちろん無料です。
と、告知はそれくらいにしておきまして。
極楽鳥をモチーフにしたものを筆頭に、
展覧会で紹介されていたジュエリーは、
どれもこれも、ため息モノの美しさでしたが。
それに負けず劣らず美しい、
鳥の剥製標本も多く展示されていました。
例えば、こちらの鳥。
ヒマラヤ山脈の高地に生息する鳥で、
ネパールの国鳥となっているニジキジです。
作り物かと疑ってしまうくらいに、
虹色の部分が、光り輝いていました。
また例えば、こちらの鳥。
その名も、ルビーオナガタイヨウチョウ。
リアル'キラキラネーム'です。
綺麗というわけではないですが、
造形的に興味深かったのが、こちらのエリマキシギです。
貴族じゃん!
もしくは、ポン・デ・ライオンじゃん!
生きものの進化というのは、アートよりもアート、
シュルレアリスムよりもシュルレアリスムな気がします。
そういう意味では、今回紹介されていた中では、
オナガドリがもっともシュルレアリスムだったような。
尾が長い、長いとは聞いていましたが、
正直なところ、これほどまでに長かったとは!
いざという時は、救命ロープ代わりになりそうです。