1999年に、サン=テグジュペリ生誕100年を祝した世界的記念事業の一環として、
箱根の地にオープンした世界初となる『星の王子さま』をテーマにしたミュージアム。
それが、星の王子さまミュージアム。
ポーラ美術館や岡田美術館、箱根ラリック美術館と、
今でこそ、箱根は日本屈指のミュージアムエリアとなっていますが、
星の王子さまミュージアムは、その礎を築いた美術館の一つといえましょう。
その箱根を代表する星の王子さまミュージアムが、今年の3月31日をもって閉館する。
そんな衝撃的なニュースが、昨年10月末に報じられました。
誤報やガセの類いかと思いきや、まぎれもない真実とのこと。
5年以上前に、一度訪れてはいますが、
閉館する前に再び、ミュージアムへ足を運んできました。
改めて、久しぶりに訪れて思ったのは、
やはり作り込み方がハンパではないなァということ。
サン=テグジュペリが幼少時代に過ごしたお城にあるチャペルや、
日本を代表するガーデンデザイナー・吉谷桂子さんによるお庭は、やはり大いに見ごたえあり!
(ただし、お庭は春以降に限る)
数年前には無かった「星の王子さま」のオブジェもあるにはありましたが。
それと、確か、以前は販売されていなかった、
「星の王子さま 写ルンです アルバムBOOKセット」(エモい!)も誕生していましたが。
基本的には、いい意味で昔と変わらない、
星の王子さまミュージアムが、そこにありました。
変わらなかったから、懐かしさを感じた半面、
変わらなかったからこそ閉館してしまうのか、と一抹の寂しさを感じました。
なんとも複雑な感情です。
ちなみに。
僕と同じように考えて行動した人は少なくないようで、
訪れたのは平日であったにも関わらず、土日並みの人で溢れていました。
平日でこの状況ならば、当然、土日はもっと人が多いはず。
美術館の中の人曰く、閉館のアナウンス後、
コロナ禍の逆ピーク時に比べて、お客さんが3、4倍に増えているようです。
今さら、こんなに増えなくても。。。
逆ピーク時に、その半分でもお客さんが来ていれば、
ミュージアムをクローズしなくて済んだかもしれないのに。。。
なお、閉館後は、どこか別の企業が、
引き続き、運営するということはないそうで。
すべての施設を壊し、更地になってしまう可能性が大とのこと。
失ってから初めて、その大切さに気が付く。
やはり、サン=テグジュペリが言っていたように、
「いちばんたいせつなことは、目に見えない」のかもしれません。
そうそう、一般的なお客さんはそこまで興味が無かったようですが、
個人的には、サン=テグジュペリの生涯を紹介する展示ホールは面白く拝見しました。
中でも特に興味深かったのが、
世界中で翻訳された『星の王子さま』。
世界各国の『星の王子さま』がズラリと一堂に会していました。
それらの中には、まぁ、1999年に開館したからでしょう。
CD-ROMバージョンの『星の王子さま』もありました。
CD-ROM、久しぶりに聞きました!
そういえば、CD-ROMってありましたよね。
それから、何より気になったのが、中国版の『星の王子さま』です。
タイトルは、『小王子』。
ニュアンス、変わってないですか?
それに、星の王子さま自体も、絶妙に違うような。。。
バッタもん感がとめどなく溢れています。