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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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マツモト建築芸術祭2023

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昨年に続き、今年も真冬の松本市で、

“マツモト建築芸術祭”が開催されています。

 

 

 

毎年、似たような感じの芸術祭が、

日本各地で、数多く開催されていますが。

この芸術祭の最大の特徴は、「名建築」が会場となっていること。

今年は会場が一つ増えて、19会場に!

松本市に点在する19の名建築それぞれに、

17名のアーティストの作品が展示されています。

そして、もう一つの大きな変化は、

有料会場(共通パス1000円)が誕生したこと。

 

結論から言えば、昨年は3つ星を付けましたが。

 

 

 

今年は、それをさらに上回るクオリティでした。

4つ星を付けたいほど。

それゆえ、むしろ1000円でも安く感じるレベルです。

来年以降も是非継続して頂きたいので、

赤字にならないよう、無理はしないでくださいませ。

星星星

 

 

さて、昨年以上に、今年はどの会場、

どのアーティストの作品も甲乙つけ難かったです。

なので、紙面の許す限り、いろいろ紹介してまいりましょう。

 

まずは、共通パスが販売されている上土シネマからご紹介。

この会場では、ヴィデオアーティストの河合政之さんの映像作品が上映されていました。

 

 

 

画面が色一色なので、機材トラブルかと思いきや、そういう映像作品とのこと。

河合さんのデビュー作《かたちのない映画》を、松本市ver.として再制作したものです。

館内に響き渡るのは、水の音や鐘の音など、

河合さんが松本市内を取材し、採取した音の数々。

それらの音が切り替わるのに合わせて、画面の色も変わるという作品です。

具体的な映像が無いにも関わらず、その情景が脳裏に浮かんでくるような。

不思議な感覚となる作品でした。

 

 

そのほど近くの下町会館に展示されていたのは、

彫刻家の青木悠太朗さんによる木彫作品の数々です。

 

 

 

一見すると、抽象的な彫刻のようですが、

それぞれに、具体的なモチーフがあるのだとか。

例えば、2つの壁に設置された巨大な作品《Oasis=H》は、

トイレットペーパーを設置するためのホルダーがモチーフだそうです。

この芸術祭のために制作された最新作《マツモト》は・・・・・

 

 

 

松本市内に住む母親の友人、

田中さんから毎年贈られてきたものをイメージしたとのこと。

そう言われると、桃だかリンゴだかの詰め合わせに見えてきました。

 

ちなみに。

特に説明が無かったのですが、

きっとこちらの作品にも、何かモチーフがあるのでしょう。

 

 

 

ドルビーサラウンド?

 

 

昨年は、小畑多丘さんの木彫作品が飾られていた、

松本市を代表する老舗・割烹 松本館の大広間『鳳凰の間』は、
今年はガラッと趣を変えて、日本画家の福井江太郎さんの作品を展示。
 
 
 
鳳凰とダチョウのコラボ(?)を楽しめる空間となっていました。
 
 
なお、今年から新たに会場に加わった建築も少なくありません。
そのうちの一つが、松本市役所本庁舎。
地元の人にもあまり知られていないという最上階の展望室に作品が飾られていました。
 
 
 
中島崇さんによる《bane tree》というインスタレーション作品です。
こ、このグチャグチャしたものは一体何??
 
 
実は、「bane tree」は、「悩みの木」の意味とのこと。
漫画やアニメなどでキャラクターが悩んだ時に、
頭の上に登場する黒いグリグリした線を表しているのだそうです。
なるほど。この作品を観た瞬間に、僕の頭上に浮かんでいたヤツですね。
 
ちなみに。
こちらの展望室からは、松本市内を一望できます。
もちろん、国宝の松本城も。
 
 
 
グシャグシャした黒い梱包用テープ越しに見る、
現存する中では日本唯一となる黒漆塗りの松本城。
この景色が楽しめるのは、マツモト建築芸術祭の期間だけです。
 
さてさて、他にも紹介したい会場、作品はあるのですが・・・。
う~ん、これ以上紹介していたら、記事がだいぶ長くなってしまうなァ。
 
 
というわけで、この続きは明日に!

 

 

 

 

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