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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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マツモト建築芸術祭2023(後編)

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昨日の記事では、その全貌をお伝え出来なかったので、

本日も引き続き、マツモト建築芸術祭の話題をお届けいたします。

 

昨日紹介しきれなかった作品にもまだまだ、

池上亭土蔵に展示されていた井田幸昌さんの彫刻作品や、

 

 

 

レストランヒカリヤ会場の後藤宙(かなた)さんの作品、

 

 

 

大正時代に建てられた旧小穴家住宅を会場に、

和室とガレージで展開される鬼頭健吾さんのインスタレーション作品など、

 

 

 

印象に残った作品は多々ありますが、

インパクトという点において、やはり一番印象に残っているのは、

松本市屈指の茶室ともいうべき、池上百竹亭茶室を使った展示でしょうか。

 

 

 

こちらを担当したのは、今展の出展作家の紅一点、

イギリスのマン島出身の動物彫刻家ステファニー・クエールです。

躙り口から覗いてみると・・・・・

 

 

 

!!!!!

 

まるで森のような光景が広がっていました。

茶室に小宇宙を感じる、とは言いますが、

まさか、茶室で緑の惑星を感じることになろうとは。

わびさびもへったくれもありませんが、

ここまでやり切っていると、逆にすがすがしさすら覚えました。

 

 

本展には、ステファニー・クエールともう一人、海外のアーティストが参加しています。

スウェーデン出身で、現在は東京を拠点に活動する写真家ヨーガン・アクセルバルです。

会場となるのは、こちらの旧油三洋裁店。

 

 

 

その建物内には、彼の写真とともに、

ファッションブランドamachi.の服が配されています。

 

 

 

実は、ヨーガンの写真に映っているのも、amachi.の服。

しかも、モデルを務めているのは、

なんと、地元の商店街の店主の皆さまなのだとか。

 

 

 

ヨーガン・アクセルバル×amachi.×松本市。

間違いなく、ここでしか観られないコラボです。

 

また、旧三松屋蔵座敷に展示されていたのは、

オランダのデザインユニット、ドローグ・デザインのプロダクトの数々。

 

 

 

彼らのデザインのコンセプトは、

「何色にも染まらず、ユーモアとウィット、

ちょっぴりの皮肉をあなたの日常に」とのこと。

照明器具にもなるハンガーや、

85個もの電球が集まったシャンデリアなど、

遊び心のあるプロダクトの数々に、思わずニヤリとさせられます。

ちなみに、展示されているプロダクトの中には、実際に購入できるものもあるそうです。

 

 

 

続いて紹介したいのは、かわかみ建築設計室のMISSISSIPPIさんの作品群。

 

 

 

名前は、だいぶアメリカンですが、

京都在住の日本人画家、コミック作家です。

 

 

 

初めて目にする絵画なのに、どの作品も、

どこかノスタルジックで、郷愁を感じずにはいられませんでした。

ステキな作品で、一発でファンになってしまいました。

とそれだけに、気になったのは、

作風と、MISSISSIPPIという作家名が合っていないような。

老婆心ながら、改名することを提案したいと思います。

 

 

ファンになったと言えば、村松英俊さんも。

 

 

 

彼は、道具など規制品の一部を、

大理石などの石に置き換える作品を制作しています。

 

 

 

冷静に観れば、違和感しかないはずなのですが、

もとからこうであったかのような、不思議な説得力がありました。

どの作品も時間も労力もかかっているでしょうが、

トップクラスで時間と労力がかかっているであろう作品が、こちら↓

 

 

 

なぜ、作ってみようと思ったし!

その制作の苦労を想像するだけで、ゾッとしました。

 

 

最後に紹介したいのは、旧司祭館。

長野県内に現存する最古の西洋館です。

 

 

 

この建物全体を使って、岡本亮さんによるアートブランド、

『CALMA by Ryo Okamoto』のインスタレーションが展開されています。

入り口からフルスロットル全開でしたが、

その圧倒的な世界観は、1階の部屋のみならず、

階段を上がって、2階の部屋でも健在。

 

 

 

いや、むしろ奥に進めば進むほど、パワーが増していたような。

 

 

 

この旧司祭館での展示を観るためだけでも、

マツモト建築芸術祭を訪れる価値は十二分にありました。

 

 

 

こんなハチャメチャな空間になるとは。

かつてここに住んでいた宣教師も、

天国でさぞかしビックリしていることでしょう。

 

 

 

 

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