この春、国立新美術館にて、
5年ぶりとなるルーヴル美術館展が開催されています。
その名も、“ルーヴル美術館展 愛を描く”。
(注:館内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
前回の2018年のルーヴル美術館展は、
『肖像芸術』がテーマとなっていましたが、
今年2023年のルーヴル美術館展は、『愛』がテーマ。
キャッチコピーは、「ルーヴルには、愛がある」。
一瞬、“どういうこと?”と思いましたが、
確かに、『LOUVRE』の綴りの中には、『LOVE』の4文字がありました。
この事実を発見した人は天才か!
というわけで、今回の展覧会では、「愛」を切り口に、
膨大なコレクションの中から厳選された73点の絵画が紹介されています。
一口に「愛」といっても、その「愛」の形はさまざま。
男女の恋愛模様を描いた風俗画もあれば、
ハブリエル・メツー《ヴァージナルを弾く女性と歌い手による楽曲の練習》、または《音楽のレッスン》
1659-1662年頃 32x24.5cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Tony Querrec / distributed by AMF-DNPartcom
神々の恋愛をモチーフとした神話画、
フランソワ・ジェラール《アモルとプシュケ》、または《アモルの最初のキスを受けるプシュケ》
1798年 油彩/カンヴァス 186x132cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Tony Querrec / distributed by AMF-DNPartcom
親子愛や家族愛に溢れた絵画もありました。
サッソフェラート(本名 ジョヴァンニ・バッティスタ・サルヴィ)《眠る幼子イエス》
1640-1685年頃 油彩/カンヴァス 77x61cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Stéphane Maréchalle / distributed by AMF-DNPartcom
また、ルーヴル美術館展は、
日本における展覧会の中でも屈指の人気コンテンツ、
それゆえ、会期初日から早くも、行列が発生しています。
画面に「愛」が溢れているだけでなく、
美術ファンによる美術愛も溢れた展覧会です。
さてさて、「愛」をテーマとした作品ばかりなだけに、
なんとなく似たような雰囲気の作品もちらほら見受けられますが。
今回の目玉作品は何と言っても、こちら↓
ジャン=オノレ・フラゴナール《かんぬき》
1777-1778年頃 油彩/カンヴァス 74x94cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado / distributed by AMF-DNPartcom
実に26年ぶりの来日となる《かんぬき》です。
作者は、《ぶらんこ》でお馴染みのロココの画家、フラゴナール。
かんぬきに手をかけ、誰も入って来られないようにしているのか。
はたまた、出て行こうとする男性を、女性が必死に止めているのか。
アハハウフフな雰囲気(?)の《ぶらんこ》と違って、
バイオレンスでアブノーマルな雰囲気が漂っています。
地上波NGなNetflixドラマといった感じでしょうか。
また、《かんぬき》のほど近くに展示されていたのは、
フラゴナールの師に当たるブーシェの代表作の一つ、《褐色の髪のオダリスク》。
フランソワ・ブーシェ《褐色の髪のオダリスク》
1745年 油彩/カンヴァス 53.5x64.5cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Tony Querrec / distributed by AMF-DNPartcom
大胆であられもない姿ゆえ、
一周回って、エロチシズムを感じないような。
・・・・・いや、そんなことはありませんでした。
普通に美術品として鑑賞していただけなのに、
その鑑賞している様子を、他の人に観られた瞬間、妙にドギマギしてしまいました。
「違うんです!そういう目で観てたんじゃないです!」と、
誰に聞かれたわけでもないのに、声をあげて弁明したくなりました。
「性的な視線でお尻を観ていたわけではなく!
小顔のわりに、下半身はビッグサイズだなァって思ってただけですから!」
(↑結局、お尻を見てたんかい!)
《褐色の髪のオダリスク》以上に、
観れば観るほど、背徳的な気分にさせられたのが、
シャルル・メランによる《ローマの慈愛》、または《キモンとペロ》です。
シャルル・メラン《ローマの慈愛》、または《キモンとペロ》
1628-1630年頃 油彩/カンヴァス 97x73cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Tony Querrec / distributed by AMF-DNPartcom
描かれているのは、キモンとペロの父娘愛。
餓死刑に処せられた父キモンを救うべく、
娘ペロは獄中に潜入し、そして、ひそかに母乳を飲ませたのでした。
何も食べていない父のために、母乳で栄養を与える。
なんて、けなげな娘なんだ・・・・・ってなるかー!
潜入する際に、パンとか持ってけよ。
いくらでも隠しようがあるだろ。
なんだか図らずも、立て続けに、
危ない絵ばかりを紹介してしまった気がするので、
最後くらいは、静謐な空気に包まれた室内画をご紹介。
17世紀オランダの画家ホーホストラーテンによる《部屋履き》です。
サミュエル・ファン・ホーホストラーテン《部屋履き》
1655-1662年頃 油彩/カンヴァス 103x70cm パリ、ルーヴル美術館
Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado / distributed by AMF-DNPartcom
この絵には、恋愛にうつつを抜かすような人も、
むやみにセクシーな人も、いびつな親子関係も描かれていません。
と、一見すると、誰もいないように思えますが、
よくよく見てみると、慌てて脱ぎ捨てられたような部屋履きがあります。
しかも、奥の扉には鍵が差し込まれたままのようです。
つまりは、この家の奥様が、急いで部屋履きを脱いで、
寝室の扉を開けて、その勢いのまま、『昼顔』的な展開に・・・♡
ある意味、この絵が一番エロチシズム。
PG12なルーヴル美術館展です。
(注:実際は年齢制限はありません)
┃会期:2023年3月1日(水)~6月12日(月)
┃会場:国立新美術館
┃https://www.ntv.co.jp/love_louvre/
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住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、3月25日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。