これまで、こちらのブログで過去2度に渡って、
おちょこ・ぐい呑みコレクションの一部をご紹介してまいりました。
今回はその特別編をお届けいたします。
まずは新たにコレクションに加わった、
おちょこ・ぐい呑みから紹介してまいりましょう。
#15
今でこそ、陶器の表面には釉薬が使われていますが、
実はその昔は、陶器の表面を漆で覆った「陶胎漆器」が主流だったのだとか。
そんないにしえの技法を現代に蘇らせた菱田賢治さんによるぐい呑みです。
見た目は漆、中身は陶器。その名は、陶胎漆器!
#16
若干、天板と同化してしまっていますが、
こちらは、松本市にある「陶片木(とうへんぼく)」で購入したぐい呑み。
「陶片木」藤田嗣治にちょい似の店主のこだわりが詰め込まれたお店です。
店頭に並んでいる商品の多くは、店主がプロデュースしたものとのこと。
こちらのぐい呑みは、片口と対になっており、ついセットで購入してしまいました。
片口の一部は象嵌となっています。
それゆえ一つとして同じものはないのだとか。
藤田嗣治にちょい似のこだわり店主が、そんなこだわりを力説してくれました。
#17
若干、壁紙と同化してしまっていますが、
こちらは、笠間の若き陶芸家・金井春樹さんによるぐい吞み。
2021年に県立笠間陶芸大学校を卒業したばかりのニューウェーブです。
しかし、ぐい呑みからは、新人らしからぬ渋さが漂っています。
ベテランみを越えて、もはやラスコーの壁画のような、考古的な印象すら覚えます。
なお、そんな洞窟っぽい(?)外観とは対照的に、
内部は、晩年のモネの絵画のような色彩に満ちていました。
外観も内部もどちらとも、
いい意味で、新人のリフレッシュさがありません。
#特別編01
見るからに、おちょこ・ぐい呑みではないのですが、
この機に紹介したいやきものコレクションの一つです。
作者は、室賀奏子さん。
金井さんと同じく、県立笠間陶芸大学校を卒業したばかりの陶芸家です。
2つの小皿を作って、それをドッキングさせたのかと思いきや、
こういう特殊な形状をした型を作って、それでこの形を成形しているそう。
ん?ということは、同心円の輪がある皿は、ろくろで作ってないの?
そうなんです。これらの線はすべて、手作業で彫られているのだとか。
さらに、裏返してみると、
当たり前のように、高台があるわけですが。
ろくろで作ってないので、高台ができるわけはありません。
そう、これは高台的なものを手作業で付け足したもの。
まぁまぁシンプルに見えてその実は、
根気のいる作業を何重にも経て制作された作品なのです。
#特別編02
脱サラして、陶芸の道に進んだという、
藤田毅さんによるひょうたん型の花入れでsy。
花をめでる習慣がまったく無かったのですが、この花入れに一目ぼれ。
ゆえに、この花入れに花を生けたいがために、花を買うようになりました。
人って変わるものですね。
#18
ぐい吞み以外のものを紹介したいから、
今回は、特別編だというわけではありません。
実は、ぐい吞みを蒐集するようになって以来、
いつかは1点手に入れたいと願っていた作家の作品がありました。
それは、光器の新里明士さんのぐい呑み。
新里明士さんとは、同じ千葉県出身、
本名に同じ「士」の一字があることもあって、
知り合って以来、お兄さん的存在として、憧れてきたアーティスト。
昨年には、取材もかねて、アトリエにもお邪魔させて頂きました。
そんな新里さんのぐい呑みが欲しい!
長年、ひそかに夢見てきたところ、
先日訪れた新里さんの個展でその機会に恵まれました。
これは、40歳となる自分への誕生日プレゼント。
清水の舞台から飛び降りるつもりで、我が家に迎えることとなりました!
1日中眺めていられるくらいにカッコいいです。
ちなみに、光を透過させると、ご覧の通り↓
カッコいいわ~~~
穴が開くほど、観ていられます。
とりあえず、全部の穴の数、数えてみようかしら。
ちなみに。
新里さん曰く、日本酒を注ぐと、
さらに、魅力的な表情となるとのこと。
ということで、早速、日本酒を淹れてみました。
美しいにもほどがあります。
惚れてまうやろー!