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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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ウェス・アンダーソンすぎる風景展

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現在、寺田倉庫 G1 ビルで開催されているのは、

“ウェス・アンダーソンすぎる風景展”という展覧会です。

 

 

 

ウェス・アンダーソンといえば、『ダージリン急行』や、

『グランド・ブダペスト・ホテル』といった作品で知られる映画監督。

こちらは、そのウェス・アンダーソンが撮影した写真の展覧会・・・・・ではなく!

ウェス・アンダーソンの映画に出てきそうな場所を撮影し投稿する、

Instagramの人気アカウント「AWA(Accidentally Wes Anderson)」の写真を紹介する展覧会です。

 

ウェス・アンダーソンが撮影してないにも関わらず、

「ウェス・アンダーソンすぎる風景」とはこれいかに。

頭にクエスチョンマークが浮かびすぎる状態で会場を訪れたのですが。

 

 

 

実際に展示された写真の数々を観て、

「なるほど」と、腑に落ちるものがありました。

 

 

 

確かに、これらの風景は、ウェス・アンダーソンの映画感があります。

彼の映画のワンシーンと言われたならば、

「うんうん。観たことあるかも」と納得してしまうことでしょう。

 

AWAが投稿するウェス・アンダーソンすぎる風景写真。

それには大きく3つの特徴があるそうです。

まずは、シンメトリー性。

続いて、パステルカラー。

そして、デコラティブ性です。

この3つを押さえておけば、誰にでも、

ウェス・アンダーソンすぎる風景写真が撮れることでしょう。

 

 

 

何気ない風景といえば、何気ない風景なのに。

“ウェス・アンダーソンすぎる”というフックが付くだけで、

実に魅力的な光景に感じられるのは、一種の発明に近いものがありました。

 

 

 

なんといっても、“ウェス・アンダーソンすぎる”というのが、パワーワードですよね。

これが、“ウェス・アンダーソン風な”とか、

“ウェス・アンダーソンっぽい”とかだったら、そこまで惹きつけられてない気がします。

 

さて、今回まとまった数のAWAの写真を目にして、

何よりも感じたのは、世の中にはまぁ魅力的な光景がたくさんあるということ。

事実は小説よりも奇なり。

現実はウェス・アンダーソンよりも奇なり、です。

 

 

 

印象的な写真は多々ありましたが、とりわけ印象に残っているのは、

スイスのフルカ峠にあるという、今は営業してないホテル・ベルヴェデーレ。

 

 

 

何がどうなって、こんなヘアピンカーブに、

ホテルを建設しようということになったのでしょうか。

ウェス・アンダーソンすぎるどころか、シュルレアリスムすぎる風景でした。

 

それから、もう一つ印象的だったのが、

ドイツにあるモーリッツブルク城の中の一コマです。

 

 

 

室内にこれでもかというくらいに、

鹿の首の剥製が設置されています。

もはや観客席のよう。

上の段の鹿は、スタンド席にいるようです。

こんなところで食事をするのは・・・・・。

とりわけ、鹿肉のローストなんかはNGです。

 

ホテル・ベルヴェデーレやモーリッツブルク城に比べると、地味ですが。

個人的にじわじわ印象に残ったのが、

フィラデルフィアのリッテンハウス・スクエア。

 

 

 

右と左でまったくの別物。

一人二役でモノマネをする清水アキラを彷彿とさせるものがありました(←?)。

それと、細かいところが気になってしまうのが僕の悪い癖。

 

 

 

部屋番号をよくみると、1704と1706でした。

1705わい!

 

 

ところで、撮影したものがウェス・アンダーソンすぎてない、

ただの(?)ウェス・アンダーソン自身は、どう思っているのでしょうか?

展覧会の冒頭に、ウェス・アンダーソン本人の言葉が紹介されていました。

 

 

 

どうやら本人自身も、実のところ、

よくはわかっていないようではありますが、

AWAには、心から感謝しているようです。

僕が心配することでもなんでもないですが、

本家が怒っていないようで、何かホッとしました。

 

なお、“ウェス・アンダーソンすぎる風景展”だけに、

展覧会の会場も、ウェス・アンダーソンすぎる雰囲気となっています。

 

 

 

特に、映画『グランド・ブダペスト・ホテル』をイメージしたという空間は圧巻!

 

 

 

会場は全面的に写真撮影可能なので、

是非、ウェス・アンダーソンすぎる会場光景をお撮りくださいませ。

星星

 

 

さてさて、会場写真もいいですが、

この展覧会を観ると、きっと大半の方が、

自分でもウェス・アンダーソンすぎる風景を撮ってみたくなることでしょう。

日本で撮影されたウェス・アンダーソンすぎる風景もあるにはありましたが。

 

 

 

残念ながら、全体的に見れば、数はほんのわずかでした。

やはりウェス・アンダーソンすぎる風景を撮るには、

日本を飛び出し、海外旅行に行くしかないのかもしれません。

そう思っていた帰り道、家の近所で、

ウェス・アンダーソンすぎる風景に遭遇しました!

 

 

 

この展覧会を観なかったら、おそらく、

一生この光景を写真に撮ろうとは思わなかったはず。

そういう意味でも、人生がちょっと豊かになる展覧会でした。

 

 

 

 

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