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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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プレイプレイアート展

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現在、ワタリウム美術館では、

コレクション品を中心に紹介する不定期企画、

“アイラブアート”の第17弾が開催されています。

 

 

 

今回のテーマは、「アートの遊び場」。

“プレイプレイアート展”と題して、20名の作家の作品を紹介しています。

それらの作家の中には、アンディ・ウォーホルや、

 

 

 

ニキ・ド・サンファル、

 

 

 

さらには、今年の夏に東京都現代美術館にて、

大規模な個展が控えているデイヴィット・ホックニー(御年85歳!)といった、

 

 

 

現代アート界のレジェンドたちが多く含まれています。

しかも、展覧会では、アーティストの作品を、

ただ、それぞれ独立して展示しているのではなく。

作品同士が、なんとなく対話しているような形で展示されていました。

例えば、ナムジュン・パイクのロボットのような立体作品のすぐ横には、

直接交流があったというヨーゼフ・ボイスが被写体となった写真が飾られています。

 

 

 

よく見ると、ロボットもボイスも、同じような帽子を被っていますね。

そうそう、ボイスといえば、NYの画廊で3日間、コヨーテとともに生活を送るという、

『いきなり!黄金伝説』のようなパフォーマンス(企画?)をしたことで知られています。

ロボットの目の前にも、コヨーテのようなオオカミのような剝製が置かれていますね。

そのパフォーマンスへのオマージュなのかもしれません。

 

また、展覧会では、こんなナムジュン・パイクの作品も展示されていました。

その名も、《TVフィッシュ》

 

 

 

熱帯魚が泳ぐ水槽の奥に、テレビのモニターが置かれています。

ただそれだけ、といえば、ただそれだけ、なのですが。

なぜか見入ってしまう謎の中毒性がありました。

なお、泳いでいる熱帯魚は本物です。

B級アートアクアリウムといった感じでした(←超誉め言葉です!)。

 

そんな《TVフィッシュ》と対話するように展示されていたのは、

フランス・ベシーヌ村出身のファブリス・イベールによる《ベシーヌの人》

 

 

 

緑色の人形に開けられた11の穴から、

水がピューッと噴き出し続ける、なんともシュールな作品です。

彼はこの作品のクローンやコピーを作り続けているそうで、

今では世界中に、100体ほどのこの《ベシーヌの人》が存在しているのだとか。

なお、美術館の4階には、イベール作品が他にも展示されています。

 

 

 

控えめに言って、相当にカオスな空間。

この光景が最初に飛び込んできた瞬間に、

白昼夢でも観ているのだろうか、と、軽く頭が混乱してしまいました。

 

ちなみに。

4階だけでなく、2階の展示室もカオスな空間が広がっています。

 

 

 

そんなカオスな空間のセンターに鎮座しているのが、

小谷元彦さんが昨年制作した《Surf Angel(Provisional Monument 2)》

全長はなんと6m!

 

 

 

下から見ても、3階の展示室から見ても、圧巻です。

このインパクト抜群な作品を観るためだけでも、展覧会を訪れる甲斐は十分にありますよ。

星星

 

 

なお、今展では、じっくりと鑑賞したいという方のために、

アウトドアブランド「ゴールドウィン」の特別協力により、キャンプスツールが用意されています。

 

 

 

自分の好きな場所にスツールを置いて、

作品との対話を楽しむのもまた一興です。

 

 

 

ちなみに。

ここまで立体作品を中心に紹介してきましたが、

今回の展覧会では、写真作品も数多く紹介されています。

それらの中には、シュルレアリスムのマグリットや、

 

 

 

ロシアアヴァンギャルドを代表するアレクサンドル・ロトチェンコの写真も。

 

 

 

ワタリウム美術館コレクションのに、

こんなにも写真作品が含まれていたとは!

コレクションの意外な一面を知ることができました。

 

さらに、珍しいところでは、『建築』という訳語を生み出し、

日本建築史の始祖とも呼ばれる建築家、伊東忠太による記録写真の数々も。

 

 

 

法隆寺の柱の中央が絶妙に膨らんでいるのは、

きっと、パルテノン神殿とかギリシャ建築の影響があるに違いない!

そんな自説を立証するために旅した際の写真です。

展覧会では、写真とともに伊東忠太本人の言葉も紹介されていました。

 

 

 

「我が輩は自分の専門とする建築史研究の目的で、

 官名又は公用を以て既往に於て、前後七回海外に出遊を試みた。」

 

 

一人称が「我が輩」な人物は、

夏目漱石とデーモン小暮閣下以外にもいたのですね。

 

 

 

 

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