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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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大阪の日本画

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現在、東京ステーションギャラリーでは、

“大阪の日本画”という展覧会が開催されています。

 

 

 

こちらは、タイトルずばり、大阪の日本画、

それも大阪の近代日本画にスポットを当てた展覧会です。

実は、これまでに大阪の近代日本画を、

まとまった形で紹介する大規模展は開催されたことがなかったそう。

いやいや、そうは言っても、大阪は、東京、京都と並んで、

三都に数えられる大都市、独自の文化圏を形成してもいます。

そんな大阪の日本画を紹介する展覧会が開催されたことがないなんて・・・・・ほんまや!

確かに、冷静に考えてみると、過去にそういった展覧会を観た記憶がありません。

 

出展作品は、約150点。

大阪中之島美術館のコレクション作品を中心に、

日本全国から集まった優品の数々も紹介されています。

 

(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)

 

 

看板が大きくなりがちな文化圏ゆえでしょうか、

大坂の近代日本画は、大きなものが多いようで。

東京ステーションギャラリーの展示室には、

とうてい150点すべてが収まり切らなかったとのこと。

それゆえ、前期と後期でほとんどの作品が入れ替わるそうです。

 

 

ちなみに。

出品作家は、50名を越えます。

その中には、大阪を代表する美人画家で、

「画壇の悪魔派」と呼ばれていた北野恒富や、

 

北野恒富《宝恵籠》 1931年頃 大阪府立中之島図書館

 

 

京都の上村松園、東京の池田蕉園とともに、

「三都三園」と謳われた女性画家・島成園も含まれていましたが。

 

島成園《祭りのよそおい》 1913年 大阪中之島美術館

 

 

出品作家のそのほとんどが、「はじめまして」の画家でした。

ただ、「はじめまして」は「はじめまして」でも、いい意味での「はじめまして」。

こんなにも魅力的な画家、日本画作品が、大阪にごろごろ存在していただなんて!

「はじめまして」の数々に感動する展覧会でした。

星星

 


さてさて、左手首切断という不慮の事故にもめげず、

右手一本で画業に専念し、「新南画」を主導した矢野橋村や、

 

矢野橋村《不動窟》 1951年 矢野一郎氏(愛媛県美術館寄託)

(注:展示期間は5/16~6/11)

 

 

大阪らしい人情味あふれる温かい絵を描き、

大阪の人々に愛され、初の大阪名誉市民にも選ばれた菅楯彦など、

 

菅楯彦《阪都四つ橋》 1946年、鳥取県立博物館

 

 

印象に強く残った「はじめてまして」の画家は多々いましたが、

とりわけ印象に残ったのが、菅楯彦の弟子にあたる女性画家・生田花朝です。

 

生田花朝《天神祭》 1935年頃、大阪府立中之島図書館

 

 

『ウォーリーをさがせ!』並に、

人がみっちり描かれているのにも関わらず、

スッキリサッパリとした印象を抱く、新感覚の作風でした。

 

 

 

おそらく、その独自のカラーセンスによって、

洗練された雰囲気が生み出されているのでしょう。

大阪の女性というと、ヒョウ柄とか虎柄とか、

ド派手なものが好きそうな印象がありましたが、

近代日本画に関しては、生田花朝に限らず、むしろその逆で。

もしかしたら、東京や京都よりも、あっさりしていた気がします。

大阪のうどんのおだしのように。

 

 

他にも印象的だった作品をいくつかご紹介いたしましょう。

まずは、上島鳳山の《緑陰美人遊興之図》から。

 

 

 

中国風の女性たちが、森の中で、

なぜかブランコで遊んでいるという不思議な作品です。

ブランコといえば、ルノワールもブランコで遊ぶ女性を描いています。

そう思って画像を見比べてみたところ・・・・・

 

 

 

反転しているとはいえ、構図がそっくりでした。

もしかしたら、ルノワールの《ぶらんこ》に着想を得たのかもしれませんね。

ただ、《緑陰美人遊興之図》のほうが、ブランコの位置が高めですが。

立って乗るには不便なタイプです。

 

続いては、星加雪乃の《初夏》です。

 

 

 

恰幅のいい2人が、川に入って涼を取っているようです。

2人は姉妹なのでしょうか。

ずっと眺めていたら、海原やすよ ともこさんにも見えてきました。

 

 

最後に紹介したいのは、中村貞以の《失題》

今展のメインビジュアルにも採用されている作品です。

 

中村貞以《失題》 1921年 大阪中之島美術館

 

 

何よりも印象的だったのが、女性のアイメイク。

目の上がピンクで、下がブル―。

このカラーリング、どこかで目にしたことがあるような・・・う~ん。

しばらく悩んだ末に、ハッと思い付きました!

あ、エーザイのロゴマークだ!

描かれている女性は完全にお疲れモード。

チョコラBBを差し入れてあげたいです。

 

 

 ┃会期:2023年4月15日(土) ~ 6月11日(日)
 ┃会場:東京ステーションギャラリー
 ┃https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202304_oosaka.html

 

~読者の皆様へのプレゼント~ 
“大阪の日本画”の無料鑑賞券を、5組10名様にプレゼントいたします。 
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。 
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、5月5日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。

 

 

 

 

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