日本全国の東京都庭園美術館ファンの皆様に朗報です。
今年もあの季節がやってきました!
朝香宮邸(現・東京都庭園美術館本館)そのものに焦点を当て、
アール・デコの様式美が詰まった建物の魅力を紹介する展覧会。
そう、建物公開です。
普段の展覧会では基本的に、
作品保護のために、カーテンが閉め切られていますが。
建物公開の際はその逆で、基本的にカーテンが全開。
開放的な気分を味わうことができます。
さらに、写真撮影もOK!
ここぞとばかりに是非、お撮りくださいませ。
なお、普段は非公開のウインターガーデンも、
2019年以降、つまりコロナ禍以降、久しぶりに公開されています。
こちらも是非お見逃しなく!
ちなみに。
建物公開の際に、ほぼ必ずと言っていいほど、
皆勤賞で展示されるあのペンギンの置物は今回も健在!
ついでに、その姉妹版みたいなペンギンたちも展示されています。
また、それに加えて、ペンギンたちは、
展覧会のチケットデザインにも採用されていました。
しかも、なんか喋ってるし。
ペンギンの存在が年々大きくなっているような気がします。
さてさて、東京都庭園美術館の建物公開は、
文字通り、ただ建物を公開するだけの展覧会ではありません。
今年2023年は、“邸宅の記憶”と題し、
邸宅の主であった朝香宮家の人々にもスポットが当てられていました。
その中でも特に印象に残ったのは、朝香宮鳩彦王がゴルフ好きだったという事実です。
人呼んで、“ゴルフの宮様”。
休日は自邸の庭でゴルフの練習をするほどのゴルフ好きで、
国内初の会員制ゴルフ同好団体「東京ゴルフ俱楽部」の名誉会長も務めていたそうです。
さて、そんな東京ゴルフ俱楽部の駒沢コースが、
昭和7年にいろんな理由で、埼玉県膝折村に移転することになった時の話。
膝を折るというのは、ゴルフ的には縁起が悪いという声が上がったそうです。
そこで町制の施工に際して、鳩彦王は「朝香」の名を町名として賜ることにしたのだとか。
しかし、それではさすがに畏れ多いということで・・・・・
現在の「朝霞」という町名に落ち着いたのだとか。
まさか、朝霞駐屯地でお馴染みの「朝霞」にそんな由来があっただなんて!
また、今展では特に朝香宮家の人々の婚礼にまつわるアイテムや、
出世祝いとして贈られたものなど、晴れの品の数々が重点的に紹介されています。
こちらは、鳩彦王が陸軍中将近衛師団長となった際に、
秩父宮雍仁親王から贈られたという《黄銅製耳木菟型壷》とのこと。
1930年頃の作だそうですが、
最新のスマートスピーカーかと思いました。
話しかけたら、何でも答えてくれそうです。
それから、もう一つ印象に残っているのが、こちらの《沃懸地海老手箱》。
貴重なものであるのは重々頭ではわかっているのですが、
どうしても、中に坂角総本舗のゆかりが入っているように思えてなりませんでした。
それも、高級版の。
また、贈答繋がりで、展覧会のラストでは、
東京都庭園美術館では過去最大規模となる、
200点以上のボンボニエールが特別出品されていました。
ボンボニエールとは、皇室で行われる儀式や婚礼などのお祝い行事で、
列席者に記念品として贈られる金平糖や干菓子といった菓子を入れるケースのこと。
それゆえ、華やかなデザインのものが大半を占めていましたが。
中には、当時の世相が反映されたデザインのものもありました。
ちなみに。
1983年に開館した東京都庭園美術館は、
今年でめでたく、開館40周年を迎えることなります。
それを記念して、さまざまなイベント、
さまざまなプロジェクトが進行しているとのこと。
建物内のデザインを取り入れたこんな素敵なプロダクトも、近日中に発売される予定だとか。
同じ1983年生まれとして、今後も同級生感覚で、
東京都庭園美術館君のことを見守っていきたいと思います。