■美人図
監督:チョン・ユンス
出演:キム・ミンソン、キム・ナムギル、キム・ヨンホ
2008年製作/109分/韓国/R18+
4代続く宮廷絵師の家に生まれたユンボクは、
幼いころから絵画の腕を称えられていたが、ある日、自ら命を絶ってしまう。
実はユンボクの絵を描いていたのは7歳の妹だったため、
その日からユンボクと名乗り、男として生きていくことになる。
しかし少女へと成長したユンボクは、
鏡職人のガンムと恋に落ち、一気に女として目覚めていく。
(映画.comより)
「主人公は、数々の官能的な名画を残したという、
18世紀朝鮮の天才絵師で宮廷絵師の申潤福(シン・ユンボク)。
もし、彼が実は女性だったら。
そして、身分を偽って宮廷絵師をしていたなら。
しかも、絵の師匠である金弘道(キム・ホンド)、
こちらも実在の人物が、彼女の秘密に気づいてしまい、恋心を募らせたとしたら。
そんな大胆過ぎる仮説をもとにしたオリジナル脚本の映画です。
日本で例えると、狩野永徳や長谷川等伯が、
実は女性だったみたいな感じになるのでしょうか。
設定としては面白いですが、
当の本人からしたら、やめて欲しいでしょうね。
ましてや、師匠と勝手に恋愛関係にされてしまうなんて。
と、設定からして大胆な映画ですが、
官能的な場面の描写も、かなり大胆でした。
特に濡れ場。
長っ!
絵を描いているシーンよりも、
そっちのシーンのほうが、確実に長かったです。
ただ、まぁ、主人公たちの愛をたっぷりと、
丁寧に描きたかったのでしょうから、そこは100歩譲ったとして。
当時のストリップ(?)みたいなのを再現したシーンも、異常なほどに長かったです。
それに関しては全然本編と関係無かったので、
まるまるカットしても、良かったような気がします。
まぁ、一応、倍速にせず、ちゃんと観ましたが(←?)。
エロティックなシーンが多め。
ユンボクが想いを寄せる男性ガンムが処刑されそうになるシーンが、ややグロめ。
そのせいで、全編を通じて、ほとんど美術映画の印象は無かったのですが。
シン・ユンボクと、キム・ホンドという画家の存在を知れたこと。
朝鮮にも、日本でいう春画のような絵画があったこと。
その収穫があっただけでも、この映画を観た甲斐はあったというものです。
最後に。
これは映画なので、それを言っちゃ元も子もないのは重々承知なのですが。
女性が演じているため、ユンボクはどう見たって女性でした。
何故、宮廷の人間は誰一人それに気づかなかったのか。
あまりに気づかなさすぎて、コントを観ているようでした。
(星2つ)」
~映画に登場する名画~
《端午風情》