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ダリとハルスマン

先日、4月20日に長い冬眠から覚めた、

“アジア最大級のダリ美術館”諸橋近代美術館に行ってきました。

現在、こちらで開催されているのは、“ダリとハルスマン”という展覧会。

 

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2020年に開館20周年記念展の1つとして開催されたものの、

緊急事態宣言によって、なくなく期間を短縮した展覧会のリバイバル版です。

展覧会の主役はもちろんダリ。

そして、もう一人の主役がハルスマン。

フィリップ・ハルスマン、アメリカ出身の写真家です。

 

もし、ハルスマンの名は知らずとも、

マリリン・モンローやオードリー・ヘップバーンなど、

彼が撮影した著名人のポートレートは一度は目にしたことがあるはず。

ちなみに、アメリカの雑誌『ライフ』においては、

同誌史上最多となる101回も表紙に起用されているほどの人物です。
 
また、ダリの有名なこちらのポートレートを撮影した人物こそが、ハルスマン。
 
 
 
ダリとハルスマンは、馬が合ったようで、
ハルスマンが亡くなるまで、約37年に渡って交友を重ねました。
そして、その間に、上のポートレート以外にも、多くの写真作品を2人で生み出しました。
その中でも特に有名なのが、こちらの《ダリ・アトミクス》でしょう。
 
 
現在ならば、コンピューターやアプリを使って、
ちゃちゃっと作れてしまいそうなものですが(←?)。
もちろんこの作品が発表された1948年には、そんな技術はありません。
当然すべてアナログ、実写で撮影されています。
イーゼルやカンヴァスはテグスで釣り上げられており、
アシスタントによって、水がまかれ&3匹の猫が放り投げられ、
そして、タイミングよくダリが飛んで、この写真は完成しました。
とは言っても、1発成功とはいかず、26回目にしてようやく成功したそうです。
ダリは全然かわいそうに思えませんが、
26回も投げられた猫がかわいそうでなりません。
今こんな写真作品を制作したら、おそらくコンプラ的にアウトでしょう(笑)。
 
ただ、こちらの作品に関しては、
さすがにダリに少しだけ同情してしまいました。
 
 
突然ですが、ここでクエスチョンです。
この摩訶不思議な写真は、どうやってCGなしに撮影されているのでしょう?
上下を逆さまにしてみると、答えがわかるかもしれません。
正解は、水槽に顔を突っ込んで、
口に含んだ牛乳を思いっきり吐き出す、でした。
表情が完全にリアクション芸人です。
この時、ダリは50歳。
その歳になっても身体を張っていたのですね!
ダリ兄さんと呼びたくなりました。
 
 
さてさて、展覧会では他にも、
ダリとハルスマンによる競作が数多く紹介されています。
 
 
 
しかも、作品によっては、制作工程まで紹介しているものも。
 
 
 
コンピューターで加工しなくても、アイディアと工夫だけで、
こんなシュルレアリスムな写真作品が生み出せてしまうのですね。
その発想力の豊かさ、創意工夫の素晴らしさに、感動すら覚えました。
デジタル全盛期な現代だからこそ、
かえって刺さる展覧会だったように思えます。
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今回、出展されていたダリとハルスマンの写真作品の中で、
個人的に印象に残ったのは、ダリとピカソがフュージョンしたこちらの作品です。
 
 
 
絶妙に気持ち悪いのに、
不思議と違和感がありません。
むしろ、もともとこういう顔だったような気さえしてきました。
 
フュージョンといえば、こんな作品も。
 
 
 
マリリン・モンロー+毛沢東。
こちらも、気持ち悪いのに、そこまで違和感はないような。
たぶん、中華料理屋の総料理長に一人くらいはこういう顔の人がいるはず。
 
それから、個人的にイチオシなのが、こちらの作品。
 
 
 
この写真に関しては、おそらく何の加工もしてないはず。
髭が触手のように伸びるおじさんが、
目の前に現れたので、この赤ちゃんはギャン泣きしているのでしょう。
トラウマになっていないことを心から祈るのみです。
 
 
ちなみに。
毎年新たなダリTシャツと、ダリグッズを生み続ける諸橋近代美術館。
今年は、ダリのポートレートがバックプリントされたコーチジャケットが爆誕していました。
 
 
 
ダリ版のボスジャン?
プライベートで着こなすのは、なかなか難易度が高そうです。
 
 

 

 

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