今何かと話題の東京の最新スポット、
東急歌舞伎町タワーに行ってきました。
その目的は、次世代型フードコートでも、
ましてや、非難が集中しているジェンダーレストイレでもありません。
もちろんアートを観るために、足を運んできました。
実は、地上48階地下5階建ての東急歌舞伎町タワーのあちこちに、
歌舞伎町とゆかりのある作家を含む26組のアーティストの美術作品が設置されているそう。
その大半は、ホテルの客室やライブスペース内にありますが、
中には、パブリックスペースに設置され、誰でもふらっと観られるものも。
例えば、ホテルの1階エントランスには、
森山大道さんの『新宿』シリーズの作品が4点設置されています。
また例えば、2階のエントランスには、Chim↑Pom改め、
Chim↑Pom from Smappa!Groupの《ビルバーガー》が設置されています。
こちらは、建て壊しが決定した歌舞伎町ブックセンタービルを舞台に、
Chim↑Pomが2週間限定で行ったプロジェクト「にんげんレストラン」で制作された作品です。
ビルの全フロアを切り抜いて、積み重ね、
その間に、ビル内の残留物を挟み込んだもの。
まさに、ビルのバーガーです。
ちなみに。
作品を観るために、正面に回ってみたところ・・・・・
《ビルバーガー》からこぼれ出たゴミが、1つありました。
いや、これはおそらく《ビルバーガー》のじゃないですね。
誰ですか?ここをゴミ置き場だと勘違いした人は?
さて、そんな東急歌舞伎町タワーの数ある美術作品の中で、
特に観ておきたい作品が、ホテルの入り口を入ってすぐの場所にあります。
続・無料で観れる美術百選038
篠原有司男《オーロラの夢》
作者は、篠原有司男さん。
スポンジを巻きつけたグローブに絵具を浸し、
巨大な画面に何度もパンチすることによって、絵画を描く。
誰もやったことがない、てか、誰もやろうとは思わない技法、
ボクシング・ペインティングで知られる現代アート界の生けるレジェンドです。
御年91歳。
この作品は、その「ボクシング・ペインティング」の最新作。
昨年2022年に制作されたものなのだそうです。
つまり、篠原さんが90歳の時の作品。
いやいや、とても90歳のものとは思えない迫力、パンチ力が感じられます。
しかも、アグレッシブな印象だけではなく、
不思議と日本の伝統絵画のような印象も受けました。
金地に紫、そして、鮮やかな緑・・・・・あ、なるほど!
尾形光琳の国宝《燕子花図屛風》を彷彿とさせるものがありました。
いや、彷彿とさせるというか、この色合いは、
間違いなく《燕子花図屛風》を意識していますよね。
と思ったのですが、今、東急歌舞伎町タワーでは、
建物全体を使って、こんなコラボが開催されているそうです。
紫と鮮やかな緑。
もしかしたら、《燕子花図屛風》でなく、
エヴァンゲリオンの初号機をイメージしていたのかも。