ルノアールを筆頭に、モネ、ゴッホ、シャガール・・・と、
街を歩いていると、時に、美術界の巨匠たちと同じ名前のお店に出くわします。
果たして、それらのお店と巨匠との間に関係はあるのか??
気になるようで気にならない。
でも、気にしてしまったら、気になって仕方がない。
そんな疑問を解消すべく、アートテラーは今日も店へと赴く!!
先日、“イギリス風景画と国木田独歩”を取材すべく、
会場である茅ケ崎市美術館に向かっていたところ、こちらのお店に遭遇しました。
その名は、ターナーダイナー茅ヶ崎店。
まさに、イギリス風景画を代表する巨匠の名を冠したお店です。
これはきっと、神のご加護に違いない!
ということで、急遽お店に入ってみることにしました。
ターナーこと、J.M.W.ターナー(1775~1851)といえば、
イギリスの国民的関心ごとともいうべき美術のアワード、
ターナー賞にその名が冠されているほどのイギリスを代表する国民的画家。
当然、こちらのお店もイギリス料理がメインかと思いきや・・・・・
ハンバーガーがメインのお店でした。
あと、チーズケーキやプリンが売りのお店のようで。
フィッシュアンドチップスやスコーンとか、
イギリスらしいメニューは見当たりませんでした。
と、気を取り直しまして。
店内はとても開放的な印象で、
この奥にはソファ席や小上がりの座敷もあり、
開店早々から、ファミリー層にも賑わっていました。
さて、オーダーを済ましたところで、
この企画恒例のアートチェック(?)のお時間です。
果たして、ターナーの作品は飾ってあるのでしょうか?
アート作品らしきものは飾ってありましたが・・・・・
たぶん、というか、まず間違いなくターナーではありません。
現代作家による抽象作品だとは思いますが、
個人的には、緑色の大腸にしか見えませんでした。
これから食事をするというのに(←?)。
他にアート作品らしきものはないものか?
ふと振返ってみると、窓枠に直接イラストが描いてありました。
きっと、これがターナーをイメージしているのでしょう。
そう思って、一瞬だけ、外に出て外眼写真をパチリ。
もしかしてだけど、もしかしてだけど、
向かって右のおじさんがターナーなんじゃないの?
よく見たら、あ、いや、よく見なくても、全然ターナーじゃないですね。
そうこうしているうちに、
お店の看板メニューであるチーズバーガーが運ばれてきました。
ターナーといえば、黄色が好きなことでお馴染みの画家。
その反対に、緑色が好きではなかったたようで、
ある知人に、「木を描かずに済めばありがたい」と語ったこともあるそうです。
それをきっと意識しているのでしょう。
運ばれてきたプレートには、一切緑色がありません!
その代わりに、黄色やオレンジといった暖色が目立っています。
さて、美味しそうな匂いがしているので、まずは一口。
美味っ!!
肉肉しいこと、この上なし。
その溢れ出る肉汁をブリオッシュ風のバンズが吸収してくれます。
さらに、特徴的なのが、黄色いマスタード。
ターナーの黄色を意識しているに違いありません。
視覚的だけでなく、味覚的にも、
このマスタードがこれでもかと効いていて、
チーズのまろやかさと、良い対比になっていました。
美味しかったので、一気に完食。
僕が彦摩呂なら、完食後に、
「ハンバーガー界のターナー賞や~!」と叫んでいたことでしょう。
と、無理矢理、あのターナーと結びつけてはみましたが、
冷静に考えると、やはり画家のターナーとはそこまで関係ない気もします。
思い切って店名の由来を店員さんに聞いてみました。
すると、ターナーバーガーの「ターナー」は、
ハンバーガーをひっくり返す調理器具である「ターナー」に由来しているとのこと。
画家のターナーも、調理器具のターナーも、
スペルはどちらも「TURNER」であるようです。
結論:画家のターナーとは一切関係ありませんでした。
なぁ~にぃ~!やっちまっターナー!!
<お店情報>
ターナーダイナー 茅ヶ崎店
住所:4神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-2-8 たかすなヴィレッジアネックス 1F
定休日:月曜日
営業時間:[土・日]11:00~18:00 [火~金]9:30~17:00