現在、渋谷のヒカリエホールのホールAでは、
“ソール・ライターの原点 ニューヨークの色”が絶賛開催中ですが、
ホールBでは、“平間至展 写真のうた -PHOTO SONGS-”が開催されています。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)
こちらは、2020年に写真家生活30周年を迎えた、
宮城県塩竈市出身の写真家・平間至さんの大規模な展覧会です。
もし、万が一、彼の名前を知らなかったとしても、
彼が撮影した写真は、幾度となく目にしたことがあるはず。
その中でも最も多くの人の目に触れられているであろう写真が、
タワーレコードのキャンペーン「NO MUSIC, NO LIFE.」の写真です。
会場には、忌野清志郎さんやYMOといった音楽界のレジェンドから、
平間至《忌野清志郎》 「NO MUSIC, NO LIFE.」 2008年 6月-7月 ©Itaru Hirama
平間至《Yellow Magic Orchestra》 「NO MUSIC, NO LIFE.」 2012年 7月-9月 ©Itaru Hirama
今をときめくアーティスト、あいみょんまで。
平間至《あいみょん》 「NO MUSIC, NO LIFE.」 2020年 8月-10月 ©Itaru Hirama
「NO MUSIC, NO LIFE.」のために撮影されたポートレートが数多く展示されています。
さらに、平間さんがこれまでにジャケットを手掛けたCDも数多く展示されていました。
(もちろん、そのポートレートも!)
個人的にも、安室奈美恵の『SWEET 19 BLUES』や、
『I HAVE NEVER SEEN』の8㎝シングルを持っていただけに・・・・・
思わず、「懐かしっ!」と声が出てしまいました。
この写真を撮ったのが、平間さんだったのですね。
あと、懐かしいと言えば、世代的にSPEEDも。
そして、そんなSPEED以上に懐かしかったのが、
お姉さん版SPEEDとして活動していた“deeps”でした。
不思議なもので、このビジュアルを目にした瞬間に、
レンタルCD屋に足しげく通ったなァとか、友達とカラオケ行ってたなァとか、
当時の記憶がブワッと走馬灯のように蘇ってきました。
改めて、写真の持つ力を実感できた気がします。
平間さんの写真の数々を目にして、
何よりも印象的だったのが、その躍動感。
どの写真にも、その前後の動きが感じられるのです。
まるでショートムービーを観ているかのような。
しかも、音楽を演奏している写真からは、
不思議なことに、ちゃんと音が聞こえてくるのです。
まるでミュージックビデオを観ているかのような感覚になりました。
平間至《サンボマスター》 CD「サンボマスターは君に語りかける」 2005年 ©Itaru Hirama
これほどまでに音楽を感じられる写真を撮れる写真家は、
世界広しと言えども、平間至さんしかいないのではなかろうか。
どのミュージシャンよりも、平間さんが、
「NO MUSIC, NO LIFE.」である気がしました。
ちなみに。
展覧会では音楽に関する写真だけでなく、
世界的なダンサー・田中泯さんに密着した〈場踊り〉シリーズや、
2015年に三宿にオープンした平間写真館TOKYOで撮影された写真も展示されています。
平間写真館TOKYOで撮影された写真は、
まぁ皆さま表情が輝いていて、どれも素敵でした。
こんな風に撮ってもらえるのであれば、
自分もそろそろアー写を変えなくてはいけないので、平間さんに撮影してもらおうかしら。
真剣に検討しようと思います。
┃会期:2023年7月8日(土)~8月23日(水)
┃会場:ヒカリエホール ホールB(渋谷ヒカリエ9F)
┃https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/23_hirama/