この秋、開業が予定されている虎ノ門ヒルズ ステーションタワー。
その開業に先駆け、つい先日7月15日に、
虎ノ門ヒルズ駅の拡張工事が完成しました。
そして、改札を抜けたコンコースに、
新たなパブリックアートが設置されました。
柱に設置されたデジタルサイネージよりも、
デジタル感溢れる巨大な作品が奥の壁に設置されています。
続・無料で観れる美術百選040
清川あさみ《Our New World (Toranomon)》
原画・制作監修を担当したのは、清川あさみさん。
90年代に雑誌のカリスマ読者モデルとして活躍した後にアーティストへと転向し、
2011年には、水戸芸術館では当時最年少での個展を開催した実績を持つアーティストです。
代表作は、 『美女採集』シリーズ。
旬の女優やアーティストたちの写真に刺繍を施し、
その人物の本質的な部分を動植物に見立てたシリーズです。
それも含めて、刺繍の作家という印象が強いため・・・・・
今回の清川あさみさんの新作は、清川さんっぽくないと言いましょうか。
むしろ、蜷川実花さんっぽいと言いましょうか。
なんでも、清川さん曰く、
「見た事ないあり方のステンドグラスで地下であっても動きのある世界を表現したい。
人も景色も未来に向かって移ろっていく。その移ろいを表現したい。」
そうで。
縦約2.7メートル、横約6メートルの大きさの作品に、
全 243種類のガラス、総数3351ピースを使用しているそうです。
なお、モチーフは新しい虎ノ門エリアの風景や、
清川さんが今までに訪れた世界中の都市とのこと。
言われてみれば、カラフルな街並みで有名な、
イタリアのブラーノ島を彷彿とさせるものがあります。
(新しい虎ノ門エリアは、そこまでカラフルになる気はしませんが)
また、LED照明を内蔵したステンドグラスの表面には、
レンチキュラー効果のあるレンズ型ガラスを重ねているのだとか。
確かに、観る角度によって、表情がガラッと変わりました。
正面から見るのももちろん美しかったですが、
角度を変えると、また新しい表情に出逢えて、思わずハッとさせられます。
しばらく観ていても、見飽きることはありませんでした。
《Our New World (Toranomon)》、下から見るか?横から見るか?
<無料で観れる美術 データ>
虎ノ門ヒルズ駅
住所:東京都東京都港区虎ノ門1-22-12