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Material, or

現在、21_21 DESIGN SIGHTでは、

“Material, or”という展覧会が開催されています。

 

 

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テーマは、ずばり「マテリアル」。
デザインされるプロダクトにとって、もっとも重要な要素の一つです。
マテリアルとは素材とのこと。
本来は、同義で使われている言葉ですが、
この展覧会ではあえて、「マテリアル」と「素材」を分けて考えています。
なぜなら、この地球上にはさまざまなマテリアルがありますが、
すべてのマテリアルが、人間にとって重要な素材となっていないからです。
マテリアルが素材となる理由は一体何か?
身近なゆえに、当たり前に見過ごしているマテリアルについて、改めて考える展覧会です。
 
 
 
・・・・・・そう聞いてしまうと、
なんだか小難しい印象を受けたかもしれませんが。
展覧会そのものは、シンプルに楽しい内容となっていました。
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星
 
例えば、泥団子が床にちょこんと置かれていたり。
 
 
 
例えば、韓国人デザイナー、イ・カンホによるナイロンロープ製の家具が置かれていたり。
 
 
 
おのずとマテリアルに想いを馳せてしまうモノが、
展覧会場全体のそこかしこに設置されていました。
それも、基本的に床に直置きで。
 
さて、ここからは今展で紹介されていた作品の中で、
特に印象に残っているモノをいくつか紹介していきましょう。
まずは、金崎将司さんによる《山びこ》から。
 
 
 
一見すると、岩や砂岩のように思えますが。
 
 
 
実はその正体は、雑誌やチラシを丹念に貼り重ねたモノ。
もちろん金崎さんが作った人工物なのですが、
不思議と、長い年月をかけて作り上げられた自然物のように感じられました。
しかも、生命が宿っているようにも。
アニミズム的なモノを感じる作品でした。
 
続いて印象的だったのは、青田真也さんによる《 》(無題)。
 
 
 
大量生産された身近な商品の表面を、
ただひたすらヤスリで削ったという作品です。
商品名などはすっかり消えてしまっていても、
なんとなく、もとの商品が何なのかわかるものですね。
 
なお、この作品は、デッドスペースのようなところに展示されています。
 
 
 

そのため、作品に気づかず見逃す人、続出。

これから展覧会を訪れる方は、

這ってでもこれらの作品をお探しください。

 

そんな青田さんの作品と同じくらいに、

気づきづらかったのが、小野栞さんの《Muse》という作品。

 

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約8mにも及ぶ巨大な作品ながら、

よーく観ないと、視認できないかもしれません。

 

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いや、よーく観たとて、視認できないかもしれません。

 

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こちらは、太さ0.6mmのステンレスのワイヤーを、

約2ヶ月にわたって、ひたすら手編みして制作されたものだそう。

あまりにも繊細で儚い見た目で、実在しているのに、

半分くらいその存在が消えかかっているかのような印象を受けました。

もしかしたら、誰かがタイムリープをして、

未来を変えたなら、《Muse》の姿はもう少しハッキリとするのかも。

 

マテリアルを編んで製作するプロダクトには、こんなものも。

 

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こちらは、2021年にアムステルダムで、

設立されたスタートアップ企業によるプロダクト。

一見すると、ただの二ットに見えますが、

その素材はウールではなく、人間の毛髪なのだとか。

美容室で大量に廃棄される毛髪を回収し、

それを加工し、高性能な糸を作成しているそうです。

地球には優しい気もしますが、

誰のかわからない毛髪でできた服を着るのは、

個人的にはちょっと抵抗があります。

あと、この服が当たり前になる日が来たら、

殺人現場で見つかった毛髪で冤罪が生まれたりして。

 

 

ちなみに。

展覧会で紹介されているプロダクトは、人間が作ったものばかりではありません。

鳥たちがさまざまなマテリアルから作った巣の数々も紹介されています。

その中には、最近のカラスが作った巣も。

 

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最近のカラスは、ハンガーを巧く活用しているようです。

カラフルでアーティスティック。

鬼頭健吾さんのインスタレーション作品を少し彷彿とさせるものがあります。

 

 

全体的には、いろいろ学びの多い展覧会でしたが、

個人的には、知らないほうが良かったなァという事実も。

それは、粒ガムに関する事実。

 

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すぐ近くに、こんなキャプションが添えてありました。

 

 
 
だとしても、知りたくなかった!
 
 
 
 
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