上野の森美術館で開催中の展覧会“モネ 連作の情景”に行ってきました。
(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を頂いております。)
展覧会のキャッチコピーは、「100%モネ。」。
そのキャッチコピーに偽りなし!
出展作品60点以上すべてが、モネの作品です。
混じりけ(?)無し。
モネ純度100%の展覧会となっています。
それらの中には、日本初公開となる《昼食》や、
(サロンに出展するも、残念ながら落選してしまったモネのターニングポイントとなる作品)
《昼食》 1868-69年 油彩、カンヴァス 231.5×151.5cm シュテーデル美術館
© Städel Museum, Frankfurt am Main
睡蓮をモチーフに約300点も描き続けたモネの晩年の大作といった、
《睡蓮の池》 1918年頃 油彩、カンヴァス 131.0×197.0cm ハッソ・プラットナー・コレクション
© Hasso Plattner Collection
見逃せない作品も多く含まれています。
日本人はモネが好きなので、アートテラーとしても、
オススメ度100%の展覧会と太鼓判を押したいところではあるのですが。
一つ気になるのが、入館料。
一般料金は平日2800円、土日祝だと3000円です。
モネは生涯にわたって、2000点以上の作品を描いたと言われています。
同じ上野にある国立西洋美術館の常設展でも、
それなりの数のモネ作品を目にすることができるわけで・・・。
と、入場料を理由に、オススメ度を減らすべきかとも思ったのですが。
本展の出展作品の貸出館の数を知って、衝撃を受けました!
その数、実に40館越え(!)。
それも、12か国に及びます。
なぜ、モネをたくさん持っている美術館から、
ごそっとまとめて作品を借りてこなかったのか。
その理由は、タイトル“連作の情景”にあります。
そう、本展のテーマは、モネの連作。
つまり、同じモチーフを描いた作品を並べて展示することに意味があるのです。
例えば、ロンドンを訪れたモネのお気に入りのモチーフだったウォータールー橋。
本展では、アイルランドのヒュー・レイン・ギャラリーが所蔵する曇りver.のものと、
《ウォータールー橋、曇り》 1900年 油彩、カンヴァス65.0×100.0cm ヒュー・レイン・ギャラリー
Collection & image © Hugh Lane Gallery, Dublin
アメリカのワシントン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する夕暮れver.、
《ウォータールー橋、ロンドン、夕暮れ》
1904年 油彩、カンヴァス 65.7×101.6cm ワシントン・ナショナル・ギャラリー
© National Gallery of Art, Washington. Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon, 1983.1.27
同じくワシントン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する日没ver.とが、
《ウォータールー橋、ロンドン、日没》
1904年 油彩、カンヴァス 65.5×92.7cm ワシントン・ナショナル・ギャラリー
© National Gallery of Art, Washington. Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon, 1983.1.28
3点並べて、観比べられるように展示されています。
2000点以上あるモネ作品うちの1点。
そう考えてしまうと、貴重な感じがしないかもしれませんが、
異なる国の美術館に収められたモネ作品同士の邂逅。
そう考えれば、とても貴重な機会であることがわかります。
この並びが再び実現することは、おそらく無いでしょう。
少なくとも、日本での実現の可能性は皆無です。
しかも、このような奇跡のマッチングが、会場のあちこちで実現しています。
これほど世界中に散らばったモネの作品を、
一気にまとめて目にすることができるだなんて。
たぶんモネ自身も、この光景は目にしたことがないはず。
いやはや、とんでもないものを観させて頂きましたm(__)m
ちなみに。
どれも見ごたえがありましたが、個人的に一番印象に残っているのは、
ドイツのアルベルティヌム美術館が所蔵するモネの初期作品《桃の入った瓶》です。
いい意味で、モネっぽくなくて、新鮮に映りました。
あと、シンプルに桃が美味しそうに見えました。
こんな感じの桃のコンポートの瓶詰が、
お土産コーナーに売ってたら、即買いしよう♪
そう心に決めていましたが、グッズ化はされておらず。
代わりに(?)、ダジャレの飴と積みわらをモチーフにしたクッキーが売っていました。