現在、PLAY! MUSEUMでは、
“「鹿児島睦 まいにち」展”が開催されています。
陶芸作品を中心に、テキスタイルや版画など、
多岐に渡って活動する鹿児島睦(かごしま まこと)さんの初の大規模展覧会です。
展覧会の見どころは何と言っても、
本展のために制作された新作の器の数々。
その数、実に約200点!
それらを「あさごはん」や「ひるごはん」といった具合に、
“まいにち”の暮らしのシチュエーション別に紹介しています。
例えば、こちらは「あさごはん」。
朝の木漏れ日をイメージした映像とともに、
「黄色地・下絵付け」の器の数々が展示されていました。
また例えば、こちらは「ひるごはん」。
「あさごはん」よりも、確実にお皿の数が増えています。
しかも、皿も大きくなっています。
みんなでワイワイ食べるイメージ。
団体客テーブルといった印象でしょうか。
そんなシチュエーションよりも何よりも、
結局、目と心を奪われるのが、鹿児島さんの器の可愛さ。
どのお皿も、その上に何も盛り付けたくないくらいに可愛かったです。
料理が無くても、映える。
それが、鹿児島さんの作品です。
ちなみに。
「ばんごはん」と「まよなか」は、こんな感じ。
黒地のシックな色合いですが、
図柄の可愛さは、相変わらずでした。
やはり何も盛り付けられる気がしません。
せめて、フルーツ。
せめて、スイーツ。
カレーや麻婆豆腐なんかを盛り付けたら、
動物虐待を疑われかねない気がします(←?)。
なお、展覧会では、こんなコーナーも。
それぞれのテーブルの上には、鹿児島さんの器と、
それを見て、『西の魔女が死んだ』や『裏庭』で知られる、
児童文学作家の梨木香歩さんが添えた文章が紹介されています。
まるで絵本のよう・・・・・と思ったら、
実際に、10月7日より絵本として発売されている模様。
タイトルは、『蛇の棲む水たまり』です。
と、このように、本展において、
梨木香歩さんとのコラボを果たした鹿児島さんですが。
これまでにも多くのコラボを行ってきたのだそう。
こちらは京都の帆布かばん店・一澤信三郎帆布とのコラボ。
また、こちらはデザインオフィス「nendo」とのコラボ。
さらには、ミッフィーともコラボもしていたようです。
可愛いですし、もちろんオシャレなのですが。
若干、健康ランド感もあります。
思わず、だだっ広い宴会場のステージ上で、
カラオケを歌っているミッフィーの姿を想像してしまいました。
ちなみに。
本展ではこんなコラボも。
岐阜に工場を構える和紙照明のメーカー・林工芸とのコラボとのこと。
鹿児島さんのスケッチから、金型を起こし、
手漉きの美濃和紙を型取りして造形しているそうです。
なお、くまの顔は鹿児島さん本人による手描き。
1つ1つ表情が違います。
展覧会全編を通じて、どの作品も素敵でしたが、
個人的に一番印象に残っているのは、こちらのサインです。
全部で5枚あるプレートに描かれているのは、可愛らしいイラストと、
「座って用を足そう」や「とりあえずコーヒーでもいかか?」といった言葉。
実はこれらのサインは実際に鹿児島さんの家に飾ってあるものとのこと。
こういうちょっとした遊び心があるだけで、
きっと“まいにち”の暮らしは楽しくなるはず。
そんな気づきのある展覧会でした。