現代陶芸の振興を目的に、2年に1度のペースで、
菊池寛実記念 智美術館で開催されている菊池ビエンナーレ。
2002年にスタートし、今年12月にめでたく10回目が開催されます。
それを記念して、現在開催されているのが、“陶芸の進行形”という展覧会です。
これまでに菊池ビエンナーレで受賞or入選した作家から、
現在活躍中の30~40代の作家に絞って、25名をセレクト。
その「進行形」というべき新作、近作を紹介する展覧会です。
選抜された25名の中には、
今もっとも世界から注目を集める陶芸家・桑田卓郎さんや、
現代陶芸界のトップランナー・新里明士さん、
千葉に生まれ、千葉で活動を続ける気鋭の陶芸家・和田的さんなどなど、
現代陶芸界のスター選手の作品が勢ぞろいしています。
いうなれば、現代陶芸界の侍ジャパン。
いうなれば、現代陶芸界のブレイブ・ブロッサムズです。
今回参加していた25名の中で、
もっとも最年少なのは、1991年生まれの釣光穂さん。
まるでアミモノのようなアミモノ陶芸で、異彩を放つ作家です。
一見すると、いや、二見、三見しても、
ニットにしか見えませんが、れっきとした陶芸作品。
まず、色の付いた粘土をひも状に撚って、
それらを編みものをするように、下から上へと積み上げて、制作しています。
キレイに編もうと思えば、できるのでしょうが。
あえて、紐が何か所も飛び出ているのもポイント。
あえての、おっちょこちょいアピール(←?)。
あざとカワイイ陶芸作品です。
カワイイ陶芸作品といえば、津守愛香さんの作品も。
↑こちらは、新作の《猫童女坐像》。
ゾウに乗る普賢菩薩やクジャクに乗る孔雀明王のような。
猫に乗る仏様のようなイメージで制作されているのだそう。
懐かしの「のまネコ」を彷彿とさせる猫の表情が、なんともいえません。
それと、全体的な色合いや紋様の雰囲気は、
明治チョコレートのツインクルを彷彿させるものがありました。
なお、こちらも津森さんの作品です。
その後ろに展示されていたのは、
津森さんの実の娘が描いた“ゆにこーんちゃん”とのこと。
この娘さんの絵を、ママが制作すると、あのようになるのですね。
プロのママの本気を見ました。
個人的に一番印象に残っているのは、
笠間在住の五味謙二さんによる《sai do ki》。
色合いこそ、派手さはないですが。
土偶や神像のような、
オオサンショウウオのような、
はたまた、未知の生命体のような。
その独特なフォルムは、不思議な存在感を放っていました。
もしかしたら、観るたびに、姿かたちを少しずつ変えているのかも。
そんな気さえする作品でした。
ちなみに。
こちらの《shi-tou「キウ」》も五味さんの作品。
なんでも噂によると、とある海外の美術館では、
その形が卑猥ではないかという理由で、出展できなかったとか。
うつくしいものをいやらしいと思う あなたの心がいやらしい byとにを。
最後に、もう1点ご紹介。
庄村久喜さんの《白妙彩磁鉢》という作品です。
庄村久喜さんは、晩香窯の窯元として有田焼を作る六代目。
独自に創案した釉薬や技法で、新時代の白磁を追求している作家です。
パッと見は、白一色に思えるかもしれませんが、
よーく観ると、一つの鉢の中に、さまざまな白が見えてきます。
白って200色あんねん。
アンミカの顔がちらつきました。
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