先月10月に、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーが、
グランドオープンこともあり、今注目を集めている虎ノ門エリア。
そこを舞台とした都市回遊型アートイベントが開催されています。
その名も、“TORANOMON LIGHT ART”。
エリア内に点在する光のアート作品、
いわゆる、「ライトアート」を巡りながら、
街歩きを楽しむ新感覚の回遊型イベントです。
ちなみに。
ライトアートの作品が点灯されるのは、16時から23時まで。
日中は楽しむことができない完全夜型のアートイベントです。
さてさて、日本ではまだそこまで市民権がないライトアートですが。
その本場であるオランダのアムステルダムでは、
世界最大級のライトアートフェスティバル“Light Art Collection”が開催されているそうです。
本イベントは、その運営を務めるLight Art Collection(LAC)とパートナーシップを締結。
世界水準のライトアートの数々が、虎ノ門エリアに展開されています。
例えば、こちらはアラァ・ミナウィというレバノンのアーティストによる作品。
パッと見は、ジュリアン・オピーのようで、
どことなく、ポップな印象を受ける作品ですが。
よく見ると、どの人もうつ向いているようです。
実は、この6人は今もどこかに存在する難民の姿を現しているのだとか。
全然ポップではありませんでした。
虎ノ門というイケイケな街(?)と、難民というギャップが妙に印象に残る作品です。
また例えば、こちらは、インドのムンバイの建築家、
ヴィカス・パティルとサントシュ・グジャールによる作品。
タイトルは、《Nest》。
立派な巣(実は、構造物)を作ったオスほどモテる。
摩訶不思議な生態を持つニワシドリの生態にインスパイアされて制作された作品です。
暗い中に、ポツンと光る様は、
どことなく、タイムホール感もありました。
ここだけ時空が歪んでいる的な?
結界が貼られていたので、中には入れませんが、
もしかしたら、この輪の中をくぐったら、違う時代に行けるかもしれません。
他にも、ライトアーティストのグロリア・ロンキと、
メディアアーキテクトのクラウディオ・ベンギのスタジオ、
「Aether & Hemera studio」による蝶をモチーフにした作品や、
虎ノ門ヒルズステーションタワー内部の建築設計を担当した、
重松象平/ OMA NYによるインスタレーション作品もありましたが。
個人的に一番印象深かったのは、
もともと常設されている虎ノ門ヒルズ森タワーのジャウメ・プレンサ《ルーツ》と、
オランダのデザインスタジオ・トゥールによるインスタレーション《Firefly Field》とのコラボ。
静止画ではまったく伝わりませんが、
実際の《Firefly Field》は、まるで蛍のように、
カプセルに収められたLEDが、ヒュンヒュンと飛び交っています。
人工物と頭ではわかっているのに、
生命力を感じずにはいられない不思議な作品でした。
中央に位置する《ルーツ》は、もしや虫が苦手なの?
虫に絶対に触れたくなくて、体育座りをして縮こまっているように見えました。
最後に、こんな作品も。
イギリス人アーティスト、ガリ・メイ・ルーカスによる《Absorbed by Light》です。
ベンチに座っているのは、イマドキの3人。
それぞれが、手持ちのスマホに夢中です。
よほどスマホが手放せないのでしょう。
道行く人に、パシャパシャ撮られていましたが、
本人たちはまったく気にする素振りを見せませんでした。
典型的なスマホ中毒。
要デジタルデトックスです。