現在、森アーツセンターギャラリーでは、
“キース・ヘリング展 アートをストリートへ”が開催されています。
死後30年以上経った今でも、その人気は衰えず、
彼の生前を知らない若い世代からも絶大な支持を得ているキース・へリング。
山梨県の中村キース・へリング美術館に、
連日、多くの人が訪れているということもあって。
なんとなく、キース・へリングの展覧会は、
毎年のようにどこかで開催されているような印象がありましたが。
実は意外にも、彼の国内巡回展が開催されるのは、約20年ぶりなのだそうです。
そんな過去最大規模となる今回のキース・へリング展。
その出展作品は、実に約150点にものぼります!
それらの中には、約6mの大型作品、
『スウィート・サタデー・ナイト』のための舞台セットや、
最晩年に手掛けた全17点からなる《ブループリント・ドローイング》も含まれていました。
さらには、企業とのコラボ作品や、
シンプルな人型を立体化した作品といったものも。
わずか10年ほどの短いアーティスト人生ながら、
驚くほどに幅広かった彼の活動の一端が観られる展覧会でした。
ちなみに。
本展の出展作の中で特に見逃せないのが、
そんな『逃走中』のハンターから逃れるような生活を、なんと5年も続けたのだとか。
なお、そうして描かれた「サブウェイ・ドローイング」は数千点に及ぶそうです。
しかし、それだけの点数があるにも関わらず、
材質が材質であるため、保存するのはとても難しく。
さらに、描かれるやいなや、
当時のファンや駅員に剥がされたこともあって、
ほとんどの「サブウェイ・ドローイング」が現存していないそうです。
そんな貴重な「サブウェイ・ドローイング」が・・・・・・
本展のためにNYから、なんと5点も来日しています。
しかも、すべて日本初公開!
それに加えて、国内に所蔵されている2点も特別出展されています。
つまり、計7点の「サブウェイ・ドローイング」を観ることができるのです。
黒い紙にチョークでサラサラッと描かれているだけ。
そう言ってしまえば、それまでなのですが、
絵の前に立つと、確かに1980年代のNYの空気を感じることができました。
知らんけど。
当時の人がキース・へリングに熱狂した理由が少し理解できた気がします。
ちなみに。
本展の出展作品の中で、他に印象に残っているのが、
ヘリングが子どもたちのために制作したという『赤と青の物語』です。
いい意味で、へリングっぽくないと言いましょうか。
子ども向けに、こんなほっこり路線の絵も描いていたのですね。
なお、そのうちの1枚に、おそらく日本語を書いたと思われるものがありました。
もスグ?夫下久゛??
ちょっと何言ってるか分からなかったです。
それから、もう一つ印象的だったのが、こちらの作品。
《無題》 1983年 中村キース・ヘリング美術館蔵
一見すると、黄色を基調とした絵画ですが、
この作品にブラックライトを当ててみると、こうなります。
ブラックライトに、ウェイ系な人たちに。
パリピ感強めな絵画です。
┃会期:2023年12月9日(土)〜2024年2月25日(日)
┃会場:森アーツセンターギャラリー
┃https://kh2023-25.exhibit.jp
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