日本を代表する、いや、もはや世界を代表する現代芸術家、
そう言っても決して過言ではない村上隆さんの国内での最新個展、
“村上隆 もののけ 京都”が、京都市京セラ美術館で絶賛開催中です。
国内での村上隆展は、実に8年ぶりとのこと。
そして、出展作約170点のうち、なんと9割が本展のための新作とのこと。
しかも、巡回はなし。
これは絶対に行かないといけないヤツ!
ということで、京都市京セラ美術館に行ってきました!
会場は「新館・東山キューブ」なのですが、
本館からすでに、村上隆展は始まっていました。
まず、この時点で1驚き。
そして、さらに進んで日本庭園が見えてきて、もう1驚き。
いざ展覧会場に入っていきなり、本展の目玉と言うべき全長13mの超大作、
《洛中洛外図 岩佐又兵衛 rip》が飛び込んできて、ダメ押しの1驚きがありました。
ちなみに。
こちらの《洛中洛外図 岩佐又兵衛 rip》は、
国宝の《洛中洛外図(舟木本)》を元にした作品で、
まず画像のスキャンをAIで線描化し、それを人の手で描き直したものとのこと。
とはいえ、そっくりそのまま再現したわけでなく、
洛中や洛外のあちこちに、村上隆さんのオリジナルキャラも描かれていました。
さらに、金雲もよく見ると・・・・・
ドクロがひしめき合っています。
この作品だけでも、十分に見ごたえがありましたが。
展覧会はまだまだ始まったばかり!
この後には、四神と六角螺旋堂をモチーフにしたインスタレーションや、
村上さんが1990年代に生み出したキャラクターDOBの最新作、
さらには、NFTを用いた次世代のアート作品などなど、
さまざまなタイプの作品が、
手を変え品を変え、次々に現れます。
展覧会というよりも、もはや村上隆さんのテーマパークのよう。
タカシーランドといったところでしょうか。
ちなみに。
京都での展覧会ということで、
《洛中洛外図 岩佐又兵衛 rip》以外にも、
京都にゆかりの深い尾形光琳の作品をモチーフにしたものや、
建仁寺に伝わる国宝《風神雷神図屛風》をモチーフにした作品など、
京都ならではの新作が多数取り揃えられていました。
なお、展覧会や新作についての解説を行っているのは、村上隆さん本人。
見どころやこだわりだけでなく、言い訳も、包み隠さず語られています(笑)。
なお、展覧会のラストでは、本展にかかった費用に関しても、赤裸々に語られていました。
確かに、大型の作品が多く、
その制作費だけでもとんでもない額になりそうですが、
それに加えて、展示壁や床までも作り込まれていましたっけ。
それだけに、開催費は、ン億円かかったとのこと。
そのお金は調達するために、村上さんは、
ふるさと納税の仕組みを一から勉強したそうで。
自身の作品のトレーディングカードなどを返礼品にした、
ふるさと納税プランを導入することで、3億円を超える支援金を集めたそうです。
その行動力、実現力には、ただただ頭が下がる限り。
予算をオーバーするからといって、
すぐに市民や国民に負担をさせようとする、某イベントとは大違いです。
なお、ン億円かけただけあって、展覧会は素直に楽しかったです。
一般の人々が喜ぶツボ、アッと言わせるツボをちゃんと抑えてあるといいましょうか。
超大作のハリウッド映画を観ているのに近いものがありました。
で、観終わった後に残っているのは、「あー、何か面白かった!」という感覚だけ。
その感じもまさに、ハリウッド映画に近いものがありました。
完全にエンターテインメントに振り切った展覧会。
こういう展覧会があっても、いいですよね。