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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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かながわの遺跡展・巡回展 勝坂縄文展

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今回、皆様に、ご紹介したいのは、
神奈川県立歴史博物館で開催中の “かながわの遺跡展・巡回展 勝坂縄文展” という展覧会。
縄文時代中期の 『勝坂(かっさか)式土器』 を中心に、
重要文化財の 《火炎土器》 も含め、多種多様な縄文土器が紹介されている展覧会なのです!!

・・・と、いくら僕が、語尾に “!” を付けて強調してみたところで、
縄文時代に興味がない人にとっては、

「ふ~~~~ん。」

という感じなのでしょうが。
是非是非、そういう人にこそオススメしたいのが、こちらの勝坂縄文展。
星星星
意外や意外に、3つ星。
付けた自分が一番ビックリしています (笑)


この勝坂縄文展の最大のポイントは、その “ユルさ” 。
考古学の展覧会というと、何となく、お堅くてマジメなイメージがありますが。
勝坂縄文展は、その真逆!
入り口からして、ユルさ全開です!!

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-勝坂縄文展
(注:この記事に使用している写真は、特別に主催の神奈川県埋蔵文化財センターさんより提供頂いたものです)


『こってりの縄文 めしあがれ』 とは、かなり秀逸なコピーだと思います (笑)

ではでは、早速、会場へ入ってみましょう。
まず、いきなり目に飛び込んできたのが、写真撮影のセットのようなもの。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-勝坂縄文展


実は、こちらは、土器と一緒に記念撮影が出来るコーナー。
僕も、せっかくなので、記念に1枚撮って頂きました。
(しかも、縄文コスプレ衣装付w)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-勝坂縄文展


こんな記念写真コーナーに置かれている土器なので、
当然レプリカだと思って、ペタペタ触ってしまいましたが・・・。

「もちろん本物ですよ♪」

とは、スタッフさんの談。
血の気が引いたのは、言うまでもありません (笑)
しかし、そんな僕を察して、

「その土器は、触ってOKです♪」

と、スタッフさんが、すかさずフォロー。
そう、こちらは、本物の縄文土器を触りつつ、
本格的に記念撮影まで出来てしまうという前代未聞のコーナーなのです。
皆様も、是非 (笑) !!


さてさて、記念写真を撮ったところで、いざ会場へ。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-勝坂縄文展


会場には、たくさんの縄文土器がズラリと勢ぞろい。
そして、展示ケースの上には、猿?!
その奥には、ムササビの姿も?!
斬新すぎる展示です (笑)


ただ、展示スタイルに負けないくらいに、紹介されている縄文土器たちも斬新です。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-勝坂縄文展


これまでに、あまり目にしたことがないユニークな縄文土器のオンパレード。
それらの中には、謎の生命体が描かれた縄文土器も。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-勝坂縄文展


縄文時代のクリエイターたちのセンスに、脱帽せざるを得ません。
実は、僕以上に、彼らのセンスにインスパイアされたのが、あの岡本太郎。
会場には、岡本太郎本人が撮影した写真と、
その被写体となった縄文土器がセットで紹介されたコーナーも。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-岡本太郎


そして、それらの前には、なぜかカメラの姿。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-カメラ  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-カメラ


その置かれたカメラのファインダーを覗くと、
岡本太郎が撮影したアングルで、縄文土器が見えるという仕掛け。
これまた斬新すぎる展示です (ただ、あまり感動はなかったですがw)


岡本太郎ですら絶賛した縄文土器。
さぞかし、展示されている全てが名品なのかと思いきや・・・いえいえ、そんなことはありません。
絵が上手い人がいれば、下手な人がいるように。
土器作りが上手い縄文人がいれば、土器作りが下手な縄文人もいたはずです。
そこで、展示の一角では、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-上手い土器


上手い土器とへたっぴな土器が、並べて展示されています (笑)
数千年の時を経て、へたっぴな土器と晒し者にされている縄文人には、同情を禁じえません。
(ただし、縄文時代の美的センスは、現代とは逆だった可能性も無きにしも非ず)


また、こちらも会場で晒し者 (?) と化した縄文土器↓

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-縄文土器


回転する土台の上で、くるくると回らされておりました。
なにゆえ、この縄文土器ばかりが、
そんな辱しめを受けているのかと言いますと・・・

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-土台


土台に書かれた文字にご注目!
実は、この縄文土器。
作者が、おそらく製作途中で、やる気が無くなってしまったと思われる縄文土器なのです (笑)
こういう模様の縄文土器を作るはずが・・・。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-理想 (画像提供:神奈川県埋蔵文化財センター)


結果として、こんな状況に (笑)

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-現実 (画像提供:神奈川県埋蔵文化財センター)


人生で初めて、縄文土器にめちゃくちゃ親近感が湧きました!
これを作った縄文人とは、仲良くなれそうな気がします。


この他にも、日本最大級の土偶の頭 (17.7cm) が展示されていたり、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ヘッド


見どころは、たくさん。
さらには、全36ページ (しかも、カラー!) の図録まで、お土産で頂いてしまいました♪

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-図録表紙  アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-図録


これだけ楽しめて、入館料は一般300円!
実は、この値段は、神奈川県立歴史博物館の常設展の入場料と同じ価格 (もちろん、常設展も観られます)
つまり、実質的には、無料の展覧会なのです。
事実、巡回先である相模原市立博物館 (2月16日~3月20日) では、無料で開催されるのだとか!


まさに、掘り出し物の展覧会です。



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