その独特な “ゆる~い” 作風に多くのファンを持つ仏師・円空 (1632~1695) 。
僕も、円空ファンの一人です。
そんな円空ファンにとって、聖地とも言える場所が、岐阜県にある千光寺。
“円空仏の寺” として知られる、この飛騨のお寺には、
なんと、円空の手による仏像が、63体も所蔵されているのだとか。
その千光寺にある63体の円空仏のうち、《不動明王および二童子立像》 や、
地面に生えたままの立木を、梯子をかけて彫刻したとされる超大作 《金剛力士(仁王)立像 吽形》 、
さらには、7年に一度しか開帳されないという秘仏 《歓喜天立像》 を含む実に61体も (!) が、
現在、東京国立博物館での “ 飛驒の円空―千光寺とその周辺の足跡―” のため上京中。
・・・ということは、今、千光寺に残っている円空仏は、2体だけ。
“円空仏の寺” なのに?!
そこまでして、今回の展覧会に全面協力をしてくださっている千光寺には、いくら感謝してもし足りません。
さてさて、今回上京している千光寺の円空仏の中で、
もっとも印象に残ったのは、やはりポスターにも使われている 《両面宿儺坐像》
普段の “ゆる~い” 円空仏とは違って、ゴツゴツと荒々しいフォルムの円空仏です。
一つの体に2つの頭、そして、4本の手足を持つとされる飛騨の異形の怪物・両面宿儺 (りょうめんすくな)
その怪物のとんでもないパワーが、ギュギュっと凝縮されているかのような印象を受けました。
また、円空仏と言えば、一本一本の木が持つクセや性質を最大限に活かしていることが、その魅力。
この 《両面宿儺坐像》 でも、ちゃんと活かされていました。
《両面宿儺坐像》 の乳首の部分に注目です。
実は、これは、木の節に当たる部分。
そこを、乳首に見立ててしまうとは。。。
お見それしました (←?)
《両面宿儺坐像》 以外で、
印象に残った仏像と言えば、 《三十三観音立像(部分)》
一体一体のクオリティは、若干低めですが (笑)
全31体勢ぞろいした姿は、壮観でした。
「・・・ん?全31体?? 《三十三観音立像》 なのに?」
2体足りないのは、近隣の人に貸したまま返ってこなかったからとのこと。
誰ですか、借りパクしている人は (笑) ?
ちなみに、今回の展覧会には、千光寺以外の飛騨高山の寺社の円空仏も出展されています。
それらの中でも群を抜いてインパクトが大きかったのが、清峰寺の 《千手観音菩薩立像》 です。
千手観音様の手が、もはや虫の足にしか見えません (笑)
もしくは、エイリアンの触手にしか見えません。
もし、何も知らずに、お寺に行って、
このような千手観音菩薩様が安置されていたら、衝撃 (笑撃?) は必至!
こんな姿の千手観音菩薩様が、普通に安置されている飛騨高山という地は、
よっぽど動じない人が多いのか、よっぽど笑いに対しての免疫力が強いのでしょう。
貴重な円空仏の数々を堪能できる展覧会。
飛騨高山の森をイメージした展示空間も、展覧会をより魅力的なものに演出していました。
惜しむらくは、展示会場の手狭さ。
お客さんが少なければ、そこまで感じませんが、
お客さんが多い時に行くと、少々ストレスを感じるレベルでした。
まぁ、 “ゆる~い” 円空仏を眺めていれば、
そのストレスは、いつの間にか緩和されていますけれども (笑)
10位以内を目指して、ランキングに挑戦中!(現在11位)
皆様、下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!
↧
飛驒の円空―千光寺とその周辺の足跡―
↧