本日紹介させて頂くのは、永青文庫で開催中の “細川三斎の茶” です。
細川三斎という名前にピンと来ない方でも、
細川忠興という名前の方ならば、耳にしたことがあるのではないでしょうか?
もし、細川忠興という名前も知らずとも、細川ガラシャの夫と聞けばおわらり頂けるはず。
もし、 「細川ガラシャも知らないんですけど。。。」 ということならば、どうぞあとはwikipediaで(←投げた!)
ともあれ、その細川三斎の茶人としての面をフィーチャーしたのが、 “細川三斎の茶” なる美術展。
前期後期合わせて約70点もの三斎ゆかりの茶道具が紹介されています。
三斎の師匠に当たる千利休が削った 《茶杓 銘ゆがみ》 や、
(注:展示は、前期[~5/8]のみです)
利休が死ぬまで愛用していたという 《唐物茶入 利休尻ふくら》
・・・といった名品も紹介されているので、茶道具好きならば外せない美術展と言えましょう。
もし、あまり茶道具に関心が無くても、ご安心を。
前期 [3/30~5/8] には、伊達政宗から細川三斎に宛てた書状が。
後期 [5/8~6/23] には、高山右近がマニラに追放となった時に三斎に送ったお別れの手紙 (下記画像) が、
展示されるので、歴史好きならば外せない美術展と言えましょう。
もし、茶道具にも歴史にも関心が無いのなら、
なかなかテンションの上げどころがわからない美術展かもしれません (笑)
何を隠そう (←?) 、僕も茶道具に関心が無い方なのですが。
そんな僕ですら思わず足を止めてしまう作品が何点もあったので、
会場では、局地的にテンションが上がっていました。
例えば、 《七仏通戒偈》 という書の作品。
(注:展示は、前期[~5/8]のみです)
この迫力ある文字を書いたのは、何を隠そう、あの一休さん。
よく見ると、一文字だけおかしなことになっているのに気が付きます。
本来なら、 『諸悪莫作 衆善奉行』 という8文字を、バランス良く書くべきところを・・・。
スペースの配分を間違えてしまったのでしょう (笑)
『善』 の一文字だけ、小さく脇に添えられてしまっています。
なんとも一休さんらしい茶目っ気のある書です。
また例えば、 《古瀬戸茶碗 よびつぎ》
割れたり欠けたりした箇所を接いだ茶碗は、
これまでにも何度も目にしたことはありましたが。
陶器の欠けた箇所に磁器を接ぐ。
こんなハイブリットな茶碗は、目にしたことがありませんでした。
わびさびというよりも、もはや現代アートに通ずるシュールさ、ナンセンスさを感じます。
現代に通ずると言えば、古田織部作の 《茶杓 銘さかひ》 も印象的でした。
(注:展示は、前期[~5/8]のみです)
正直なところ、茶杓の良し悪しはわかない僕ですが。
センターラインで色分けされた (?) この茶杓は、純粋に欲しいなと思いました。
Afternoon TeaやFrancfrancあたりで売っていても違和感がなさそうです。
この他にも、向き合ってみると、味わい深い作品が多数。
一見すると地味な美術展な気がしますが、実は、滋味深い美術展です。
ちなみに。
前回も紹介した4階の新展示室では、春季コレクション展がはじまり、展示品も新しくなっていました。
個人的なオススメは、 《黒革包紅糸威胴丸具足》
字面だけ見ると、何ともいかめしい鎧兜のようですが、その実態は・・・。
「カワイイじゃねーかwww」
一体、どれだけファンシーな武将が、この具足を身に付けていたのか。
想像するだけで楽しくなってきます (笑)
カワイイと言えば、伝矢野吉重の 《琴棋書画図屏風》 も必見!
右隻に描かれた猿をはじめ、
画面のいたるところに動物が描かれています。
牛に、犬に、豚に、そして、くまのプーさんに登場するイーヨー (←?!) まで。
バラエティ豊かなラインナップお楽しみください。
ただ、伝矢野吉重の 《琴棋書画図屏風》 の展示も前期まで。
後期 [5/8~6/23] からは、その代わりに、矢野吉重が写した元の絵であるほうの 《琴棋書画図屏風》 が展示されるそうです。
そちらは、雪舟の筆と伝わる名品。
(・・・・・・・後期に行けば良かったw)
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細川三斎の茶
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