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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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生誕250周年 谷文晁

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《慈母観音図》 のような色鮮やかで緻密な絵を描いたかと思えば、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-慈母観音図
(注:展示は7/29まで)

《夏谿新晴図》 のような中国風の山水画も描き、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-夏谿新晴図
(注:展示は7/29まで)


《石山寺縁起絵巻》 のような大和絵を描く一方で、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-石山寺縁起絵巻


《ファン・ロイエン筆花鳥図模写》 のような完全なる西洋画風作品も描く。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-ファン・ロイエン筆花鳥図模写


まさに、 「この絵師、何者!?」 と言わずにはいられない絵師・谷文晁。
そのカオスなまでの作品世界をテーマにした美術展、
“生誕250周年 谷文晁” が、現在サントリー美術館で開催されています。

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-Pスター


北は山形から西は兵庫まで、日本全国から集められた谷文晁作品が一堂に会しています。
『開運!なんでも鑑定団』 では、よく谷文晁作品のニセモノが登場しますが、
もちろん今回の美術展に出展されているのは、本物の谷文晁作品ばかり。
それらの中には、重要文化財に指定されている 《木村蒹葭堂像》 も含まれていて、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-木村蒹葭堂像


心から、 「いやぁ、よくぞこれだけ集めてきたなァキラキラ と感心してはいるのですが・・・・・う~ん。
美術展そのものに関しては、そこまで感動がありませんでした(´・ω・`)

谷文晁の作風が、あまりに多種多様過ぎたからでしょうか。
はたまた、美術展の目玉となる作品が、特に無かったからでしょうか。

美術展の冒頭から淡々と進んでいき、
気づいた時には、出口に到達してしまっていました。
山も無ければ、谷も無い。
そんな谷文晁展でした。
星


というわけで、美術展全体としては、茫洋とした印象でしたが。
(谷文晁自体が、そういう絵師なので、仕方がないと言えば仕方がない)
一つ一つの作品を観てみれば、個人的に印象に強く残る作品もありました。
1点は、 《絹本著色仏涅槃図》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-絹本著色仏涅槃図
(注:展示は7/29まで)


涅槃図とは、お釈迦さまが入滅、つまり、お亡くなりになった時の様子を描いたもの。
お釈迦様を囲むように弟子や動物たちが、その死を嘆き悲しんでいます。
これまでに、さまざまな涅槃図を目にしてきましたが、
歴代で1、2を争うくらいに、弟子や動物たちの嘆き悲しみっぷりが尋常でなかったです。
あまりに嘆き悲しんでいるので、 “ウソ泣き?” と思ってしまったほど (笑)


そして、もう1点は、 《富士山図屏風》

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-富士山図屏風


これまでに、多くの芸術家たちによって、富士山をテーマにした絵は描かれていますが、
その中でも、この作品は、 “江戸後期の富士山図の中でも傑出した作” と称される逸品。
富士山の姿を写実に描いた風景画というよりは、
日本人が心に思い浮かべる富士山の姿を描いたような心象風景画ともいうべき一枚でした。
その雄大な富士山の姿に、 「全日本人が泣いた!」 となること必至。
世界遺産に登録されたばかりで、タイムリーな今だからこそ、特に見逃せない作品です。




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