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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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幻想へのいざない

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大田区にある龍子記念館に行ってきました。

龍子記念館


こちらは、日本画家・川端龍子が自分の作品を飾るために、
アトリエ兼自宅の前に、自から設計し建ててしまったという美術館です。
自分の “龍子” という名前にちなんで、タツノオトシゴの形をモチーフにしているのだとか。

龍子記念館


ちなみに、開館したのは、1962年とのこと。
『いいとも!』 よりも、 『笑点』 よりも歴史の長い美術館なのですね!


さてさて、そんな龍子記念館では、 “幻想へのいざない” という美術展が開催中。
川端龍子の名作の中から、特に神話や伝説、異郷をテーマとした幻想的な作品に絞って紹介した美術展です。

会場に入ると、まずは午年らしく、 《御来迎》 がお出迎え。

御来迎


縦241cm、横726cmという巨大画面の日本画に驚かされること必至です。
これ以外にも、 「絵は、床の間に飾るものじゃない!美術館に飾るべきものなんだ!」 と、
青島刑事風に (?) 、会場芸術主義を唱えた川端龍子ならではのド迫力作品の数々が展示されています。

《阿修羅の流れ(奥入瀬)》 (242.0×486.0cm) に、

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】-阿修羅の流れ


《龍巻》 (293.0×355.0cm) に、

龍巻



《花摘雲》 (242.5×728.0cm) に。

花摘雲


あまりに大画面の作品ばかりなので、
たまに、それよりも二回りくらい小さな作品が展示されていると・・・

「小っちゃ!」

と、思ってしまうのですが。
それでもサイズを見てみると、150×80cmと、特別小さいわけではありません。
完全に、絵の画面に対する感覚がバカになってしまっていたようです (笑)
そんな不思議な美術館の空間こそが、一番の幻想 (ファンタジー) である気がしました。
星


ちなみに。
今回の出展作品の中でのお気に入りは、 《獺祭》 という作品。

獺祭


タイトルの 《獺祭》 とは、もちろん日本酒の名前では無くて。
捕らえた魚を川岸に並べるカワウソの習性を表した言葉。
その習性を面白く感じた川端龍子が、カワウソを擬人化して描いたのが、こちらの作品なのだとか。
カワウソよりも、捕えられたナマズの方が、愛嬌があるような (※個人の感想です)




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