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Channel: アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】
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第七十六話 国宝ハンター、バスを待つ!

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前回までのあらすじ~
 日本全国の国宝をすべて目にすることは可能なのか。
 そんなチャレンジを続けて、早3年目に突入した国宝ハンター。
 これまでに目にした国宝の数は、562。
 どの国宝との出合いにも、それなりのドラマがあったように思えます。
 いや~、国宝って本当にいいもんですね~



昨年の5月以来、いまふたたびの奈良へ。
そして、いまふたたびの興福寺国宝館へ。

興福寺


実は、まず間違いなく、前回もこちらで、 《興福寺金堂鎮壇具》(ジャンル:考古資料) を見ていたのですが。
《興福寺金堂鎮壇具》 は、一度トーハクでゲットしているので (第九話)、とテキトーに流してしまっていました。
ところが。
国宝 《興福寺金堂鎮壇具》 には、トーハク所蔵のver.と興福寺所蔵のver.があることがのちに判明。
「何で、興福寺まで行ったのに、ちゃんと見ていなかったんだ (泣)!」 と、ずっと悔やんでいたのです。
今回の再訪で、その小骨がスッキリ取れました。


と言っても、今回、奈良に来たのは、興福寺を再訪するためでありません。
メインイベントは、2日目に控えていますので、乞うご期待 (←?)

とりあえず、1日目は、興福寺を見て、その後、春日大社の宝物殿へ。

春日大社


こちらでは、現在、 国宝ハンター的には見過ごすことが出来ない、
“国宝甲冑修理記念特別公開 刀剣と甲冑 -春日大社の誇る名品を一堂に-” という展覧会が開催中。

《黒韋威矢筈札胴丸〈兜、大袖付/〉》(ジャンル:工芸品) の修理が、
昨年終わったことを記念し開催された展覧会で、

黒韋威矢筈札胴丸〈兜、大袖付/〉


春日大社が誇る武器武具が一堂に展示されていました。
もちろん国宝も多数展示されており、 《黒韋威矢筈札胴丸〈兜、大袖付/〉》 以外にも・・・

 ・《沃懸地酢漿紋兵庫鎖太刀〈中身無銘/〉》(ジャンル:工芸品)
 ・《金装花押散兵庫鎖太刀〈中身無銘/貞治四年の年紀がある〉》(ジャンル:工芸品)
 ・《籠手》(ジャンル:工芸品)

をゲット。
ちなみに、国宝指定されている籠手は、春日大社所蔵のものが唯一なのだとか。

それと、もう一点衝撃 (笑撃的?) だったのが、《赤絲威鎧〈兜、大袖付/〉》(ジャンル:工芸品) 。
竹に虎、雀の飾りが施されていて、それはそれは豪華な鎧なのですが・・・

赤糸威大鎧(竹虎雀餝)


虎が、あまりにブサイク (笑)
雄雄しい姿の虎というよりは、だいぶユーモラスな虎。
戦場で相まみえたなら、きっと笑ってしまう。


そして、午後は、昨年の秋に 『美の巨人たち』 でも取り上げられた、あの仏像の元へと向かいます。
今回は、前回の奈良国宝ハンティングの旅とは違って、
巡る場所が少ないので、レンタサイクルではなく、電車&バス移動。
それだけに、のんびりとした楽しい旅を楽しめるはず・・・と思いきや、

バス


「バス、少な!!!」

のんびりしすぎです。
というか、一月の寒い中、1時間以上、バスを待つ・・・むしろ前回の旅以上に過酷な旅となりました。
レンタサイクルにすれば良かった (>_<)


ともあれ、なかなか来ないバスを待って、ようやく目的の聖林寺に到着。

聖林寺


こちらには、あのフェノロサが激賞したことで知られ、
あの白洲正子が 「世の中にこんなに美しいものがあるのかと、私はただ呆然と見とれていた」 と言った・・・

十一面観音


《木心乾漆十一面観音立像》(ジャンル:彫刻) があります。

確かに、美しいのは美しいのですが・・・。
期待値が高かったのと、寒さで体が芯から冷えていたのと、
そして、何より数時間前に興福寺で阿修羅像を久しぶりに観て感動してしまっていたのとで、
そこまでの感動は起こらず (笑)

「指先や天衣の表現は美しいけど、プロポーションは変じゃね(・・?)
 くびれの位置が、上すぎじゃね(・・??)」

早々に対面を切り上げました。


・・・・・まぁ、今日のところは、こんなものでいいのです。
メインイベントは、2日目。
明日があるさ。


今現在の国宝ハンティング数 569/1089




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