現在、上野では、東京国立博物館と東京都美術館のコラボ企画 “日本美術の祭典” が開催中。
東京国立博物館と東京都美術館の両館で開催される3つの美術展を結ぶ特別なプロジェクトで、
2400円という超お得な価格の3館共通券が、前売り券として発売されていたのも話題になりました。
さてさて、そのうちの1つを飾る美術展が、
東京国立博物館の “クリーブランド美術館展─名画でたどる日本の美” 。
アメリカ屈指の規模と質を誇るクリーブランド美術館の日本美術コレクションから、
選りすぐられた約40件の日本美術作品を紹介している美術展とのことなのですが・・・。
「本当に選りすぐりました (笑) ??」
というのが率直な感想です。
もちろん二流三流の作品が来ているとまでは言いませんが。
王道の日本美術作品というよりも、どこかヘンテコな作品が多い美術展という印象でした。
展示されているのは、ヘンテコな作品か、もしくはフツーの作品かという感じ。
個人的には、ヘンテコな作品のほうが好きだから構わないのですが、
クリーブランド美術館的には、それでいいのか、と、ちょっと心配です。
例えば、今回の展示の目玉の一つ 《雷神図屛風》 。
これなんて、かなりヘンテコな感じです。
本物の雷神を見たことないですが、コイツが雷神でないことは確実です (笑)
国宝の俵屋宗達作 《風神雷神図》 の雷神は大きなイメージですが、コイツは、たぶん小さい。
150cmくらい。
また、尾形光琳を慕ったという渡辺始興の 《燕子花図屛風》 も、どこかヘンテコな感じ。
燕子花の姿を下まで描いていないので、全体的に半分くらい埋まっているイメージ。
余白が多くて優美な印象というよりは、
半分くらい水に浸かった燕子花がアップアップしているような印象でした。
ちょっと息苦しい。
続いては、渡辺崋山による 《大空武左衛門像》
大空武左衛門は、江戸時代に実在した熊本藩お抱えの力士だそうな。
驚くべきは、その身長。
なんと7尺3寸=227cm!
あのチェ・ホンマンよりも、11cmも背が高い!!
その大きさゆえ、江戸当時に、大空武左衛門は、いろいろな画家に描かれたのだそうですが。
渡辺崋山の 《大空武左衛門像》 は、等身大で描かれているのが最大のポイント。
見上げたものです。
極めつけのヘンテコな作品は、伝没倫紹等賛の 《南瓜図》 。
これまでたくさんの絵を観てきたと自負する僕でも、思わず二度見したほどのヘンテコさです (笑)
蟻のような謎の黒い小人たちが、せっせと南瓜を運んでいる・・・の図。
とにかく、意味がわからない。
わかる気がしない。
ただ、あまりにわからなさすぎて、フツフツと楽しさが込み上げてくる一枚です。
ちなみに。
日本美術作品に交じって、クリーブランド美術館が所蔵する西洋美術作品も少し紹介されています。
その中の一枚に、偉大なる素人画家アンリ・ルソーの 《トラとバッファローの戦い》 が。
どうしたことでしょう?
この緊迫感の無さは。
こちらの絵も、ヘンテコ。
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クリーブランド美術館展─名画でたどる日本の美
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