昨日は、東京国立博物館で開催中の “クリーブランド美術館展─名画でたどる日本の美” を紹介しましたが。
それと同時開催されているのが、 “人間国宝展―生み出された美、伝えゆくわざ―” という美術展です。
こちらは、人間国宝 (重要無形文化財保持者) に焦点を当てたもので、
これまでに人間国宝に認定された全104名の物故作家 (※) 全員の作品が紹介された空前の美術展です。
(※ ただし、刀剣研磨、手漉和紙を除く)
正直なところ、 “クリーブランド美術館展” ほどは期待していなかったのですが。
個人的には、断然、 “クリーブランド美術館展” より “人間国宝展” !
もし時間が無くて、どちらか1つしか観られないのでしたら、 “人間国宝展” のほうをオススメします!!
まず何よりも面白いと思ったのが、
人間国宝全104名の作品を、ただズラ~っと並べるのでなく、
荒川豊蔵作 《志野茶碗》 重要文化財 《志野茶碗 銘 広沢》
vs
古典の名品と対決させるように並べて展示していた事。
こういう場合、
「やっぱり比べると、古典の名品には適わないよなァ~」
となりそうなものですが、そうは全くならず。
古典には古典の良さが、人間国宝の作品には人間国宝の作品の良さがあるのを実感。
あえて対決させることで、お互いの魅力が、より引き出されていたような気がします。
また、今回の美術展を通じて、
「人間国宝=伝統的=古臭い」 という固定概念が軽く吹っ飛びました。
むしろ人間国宝の皆様ほど革新的であることを実感。
例えば、竹工芸家・生野祥雲斎の 《竹華器「怒濤」》 に、
九谷焼の陶芸家・徳田八十吉 (三代) の 《耀彩壺「恒河」》 に、
友禅染の染織家・森口華弘の 《友禅訪問着「羽衣」》 に。
印象に残った作品を挙げていけば、キリがないほどです。
技術力が高いのは当然として、その上、独創性も光っているなんて。
こんな最強のアーティストたちが、日本にはゴロゴロといたのですね。
改めて、人間国宝のポテンシャルの高さに衝撃を覚えました。
ちなみに。
今回出展されていた全作品の中で、特に印象に残ったのが、
漆芸家の田口善国による 《王蜂蒔絵飾箱》 という蒔絵作品。
スズメバチがデザインされた毒々しくも美しいパンクな蒔絵箱です。
なんとなく椎名林檎っぽいイメージ。
さて、こんなパンクな蒔絵箱を田口善国が制作したのは、70歳の時とのこと。
田口善国さんに限らず、人間国宝の皆さんは、
歳を取れば取るほどセンスが若返っているような気がしました。
そういうものに わたしはなりたい。
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人間国宝展―生み出された美、伝えゆくわざ―
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