~前回までのあらすじ~
国宝を求めて、日本中を旅する国宝ハンター・とに~は、
1089件ある国宝の中でもっとも重要な国宝に出合うために、奈良へとやって来ました。
どんなに遠くても、どんなに忙しくても、国宝を優先して考える男、それが国宝ハンター。
国宝ハンターは、国宝を世界で一番愛しています。
奈良2日目は、畝傍御陵前駅から始まります。
‘うねびごりょうまえ’ と読みます。念のため。
向かったのは、奈良県立橿原考古学研究所附属博物館。
せんとくんよりも断然可愛いマスコットキャラクター・イワミンが駅から案内してくれています。
駅から歩くこと5分で、奈良県立橿原考古学研究所附属博物館に到着。
こちらは、橿原考古学研究所が行ってきた発掘調査で出土した実物資料が中心に展示された博物館で、
考古ファンには堪らない貴重なお宝が、ゴロゴロと展示されています。
鹿埴輪、超カワイイんですけど♪
と、それらの展示品の中に、一際目を惹くお宝が!!
国宝の 《奈良県藤ノ木古墳出土品》(ジャンル:考古資料) です。
奇跡的に未盗掘状態で発見された藤ノ木古墳の出土品というだけあって、実にビューティフル!
とても6世紀のものとは思えません。
特に美しかったのが、 《金銅鞍金具》 。
写真では全く伝わらなくて恐縮ですが。
全体に施された装飾の華麗さ・華麗さは、震えるほどの感動がありました。
でも、何より感動したのは、こんなスゴいものが、サラッと展示されていたこと (笑)
いつかトーハクあたりで、仰々しい演出で展示して頂きたいものです。
午後は、 《奈良県藤ノ木古墳出土品》 を後にし、飛鳥駅へと足を伸ばします。
せっかくなので、 (国宝ではないですが) 石舞台古墳を見学し、
そして、高松塚古墳へ。
そう。今回の奈良旅行のメインイベントは、こちらの高松塚古墳。
実は昨年のうちに、文化庁が主催する国宝高松塚古墳壁画修理作業室の公開に応募していたのです。
こちらで受付を済まし、
パスをもらいます。
まずは、一室に移動して、スライドによる高松塚古墳に関してのレクチャーを受けます。
高松塚古墳が発見された経緯と、
発見後、高松塚古墳内の壁画がいかにカビで劣化してしまったのか、
さらに、現在は、どのような施設で古墳内の壁画を修復しているのか、を簡単に学びました。
そして、いよいよ、修理作業室の中へ。
そこにあったのは、まぐれもなく 《高松塚古墳壁画》(ジャンル:絵画) 。
ただし、石室の状態でなく、すべての面が慎重にバラされ、そのパーツごとに横たわっていました。
作業室というよりも、まるで手術室に近い印象。
瀕死の 《高松塚古墳壁画》 を救うために、
日本国の総力を挙げて、今まさに懸命の処置が取られている・・・そんな印象を受けました。
とは言え、手術・・・もとい修復が開始されて、6年目。
発見当時の状態とは言えないまでも、だいぶ色鮮やかに回復している様子が見られました。
ホッと一安心です。
有名な西壁女子群像の女性のスカート (?) が、
意外にも、ライオンズカラー (白地に青・赤・緑) でビックリしてしまったほどです (笑)
作業室そのものの中には入ることが出来ないので、見学者は廊下の窓ごしに見るだけなのですが。
それでも膝がガクガク震えてしまうくらいに、
圧倒的で根源的な存在感が 《高松塚古墳壁画》 には、ありました。
これぞ、国の宝。国宝です。
ずっと見ていたかったですが、見学時間は10分。
非情にも、あっという間に面会終了でした。
まだあと4年は修復作業は続くとのこと。
来年以降も修理作業室の公開があるならば、また立ち合いたいと思います。
頑張れ、文化庁の皆さん!
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第七十七話 国宝ハンター、震える!
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